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再審公判「警備過剰」 袴田さん支援団体、地裁に是正求め要請書

 現在の静岡市清水区で1966年、一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審開始を認めた2023年の東京高裁決定から13日で1年を迎えた。その後、再審開始が確定し、同年10月に静岡地裁で再審が始まった。審理は終盤に入り、5月にも結審する見通し。一方、支援者は公判開廷日の警備が過剰で傍聴機会も制限されているとして地裁の対応を疑問視してきた。同日、是正を求める要請書を改めて提出。「あしき前例にしてはいけない」と訴えた。

再審公判を巡る傍聴対応の見直しを求め、静岡地裁に出向く支援者=13日午後、静岡市葵区
再審公判を巡る傍聴対応の見直しを求め、静岡地裁に出向く支援者=13日午後、静岡市葵区

 要請したのは、各地の支援団体で構成する「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」。申し入れは今回が5度目で、これまでと同様、再審公判開廷日の地裁庁舎内への立ち入り制限や傍聴者への厳しい手荷物検査、廷内に警備員を置くことを見直すよう求めた。要請書では「少なくとも、静岡地裁のどの法廷でも見られないような状況が続いている」と主張し、偏見に基づく対応だと批判した。
 傍聴機会の拡大を巡っては、地裁で最も傍聴席の多い法廷を使うよう要望してきたが、かなっていない。要請後に報道陣の取材に応じた清水一人さん(75)は「せめて(途中退席で)空いた席を活用できるようにしてほしい」と切望した。
 静岡地裁は取材に、どのような警備体制をとるかは「個別の事件ごとに判断している」と説明した上で、警備事項に関する詳細は答えられないとした。傍聴席数が2番目に多い法廷を使用している理由については「審理の必要性から裁判体が判断した」と回答した。
 支援団体は袴田さんの無罪判決を求める840人分の署名も届けた。累計で1万1084人分になった。
 (社会部・佐藤章弘)

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