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能登被災地支援の輪を 静岡の学生ら団体設立 特産品販売など準備

 能登半島地震の発生から3カ月。被災地のために静岡からできることはないかと共通の思いを抱いた大学生らが、有志団体「静岡の学生による能登半島復興支援ネットワーク」を設立した。定期的に会合を開き、ボランティア派遣や能登の特産品販売などの実現に向けて準備を進めている。

被災地のためにできることを考える学生ら=3月下旬、静岡市駿河区
被災地のためにできることを考える学生ら=3月下旬、静岡市駿河区

 「横倒しのままのビル、歩道に落ちたままの瓦の破片。焼け野原のような朝市は手つかずの悲惨な状態だった」。3月下旬、静岡市内で開いた勉強会。ネットワークに協力するNPO法人ESUNE(同市駿河区)の斉藤雄大事務局長(30)が、石川県輪島市三井町で実施したボランティア拠点管理などの支援活動を紹介し、復旧・復興が進まない状況を伝えた。
 学生たちは「勉強会や能登の文化を知る会を定期的に設ける」「石川の学生団体と交流する」などとアイデアを出した。斉藤さんから、被災者のニーズと災害ボランティアの調整が難航している様子を聞き、作業を具体的に指定したボランティア募集も提案した。
 ネットワークには静岡大や常葉大などの学生7人が所属している。発起人は李海龍さん(19)=静岡大2年=、石井恭華さん(19)=同=、植田一成さん(24)=ルーテル学院大大学院1年=の3人。李さんは「自分も含め、支援したくても何もできない人が周囲に多かった」と振り返る。学生に多額の寄付は難しく、発災当初はボランティアが制限されていたこともあり、すぐには行動に移せなかった。「静岡からできること」を考え、長期的に復興に関わる構えだ。
 時期は未定だが、能登の特産品を集めたマルシェを静岡県内で開いたり、学生が被災地を訪れる機会を調整したりする取り組みを計画する。植田さんは「これが初めの一歩。何ができるか考え形にしていきたい」と意気込む。石井さんは「能登のためだけでなく、静岡で災害が起きた時には動けるようにしたい」と見据えた。
 (生活報道部・伊藤さくら)

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