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身近な社会課題 高校生が探求・提案 「SDGs QUEST みらい甲子園」 2023年度静岡県大会

 持続可能な開発目標(SDGs)について高校生が課題解決に向けたアイデアを提案する「SDGs Quest みらい甲子園」静岡県大会(実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送共催)が今年も開かれた。
最終審査を経たチームによるプランの説明=2日、静岡市清水区 84チーム333人がエントリー  静岡県内の高校1、2年生、2~6人で構成するチーム(チーム内に高校3年生も参加可)を対象に昨年9月10日から12月10日までエントリーを募集し、16校84チーム、333人が参加した。
 2日、静岡市清水区の清水テルサでファイナルセレモニーが開かれ、最終審査を経た12チームがアクションプランの内容の説明を壇上で行った。提案したアクションプランの革新性や提案者の熱量など五つの評価基準を基にした審査の結果、最優秀賞、優秀賞、二つの企業の名を冠した賞を受賞する計4チームを選んだ。
 最優秀賞には富士宮西高「チームTMG」の「食で富士宮を有名にしよう」が輝き、優秀賞に三島北高「STEM超越班」の「野菜のトイレットペーパー」が選ばれた。山一金属賞には沼津中央高「課題研究D班」、スギセキ賞には焼津中央高「焼津中央SDGs同好会」が選出された。
表彰式後に行われたワークショップ
アクションアイデア最優秀賞 富士宮西高チームTMGのメンバーとプレゼンターの酒井敏実行委員長  富士宮西高 チームTMG
 鈴木花菜子/馬場美岬/桜井百夏
 「食で富士宮を有名にしよう~卵で地元を盛り上げよう~」


 富士宮は鶏卵産出額全国1位にもかかわらず、あまり知られていないことから、「富士宮をプリンの街にする」というコンセプトで6次産業を活性化、地域外消費につなげたいというアイデア。富士宮やきそばに次ぐ新たな地域ブランド確立を目指す。


アクションアイデア最優秀賞 三島北高・STEM超越班のメンバーとプレゼンターの内田美紀子実行委員  三島北高 STEM超越班
 銭谷憧空/天野翔太/尾崎舜/井上泰河/岩崎壮真
 「野菜のトイレットペーパー」


 日本で生産される野菜の約14%が規格外として廃棄されている。また発展途上国ではいまだにトイレットペーパーが普及していない。この二つの課題を解決するためのアイデア。実際に野菜をゆでて引き伸ばし乾燥させるという実験、検証を行い、フードロスペーパーの可能性を探った。


山一金属賞 沼津中央高・課題研究D班のメンバーと山一金属の大賀丈久さん  沼津中央高課題研究D班
 原こころ/栗崎きらら
 「日本のごみ問題の現状とシンガポールの対策」


 日本のごみ焼却量が世界1位という事実を受け、ごみの量が少ない国を探しシンガポールにたどり着いた。ポイ捨てへの罰金措置、家庭ごみの量に対する課金システムなどの取り組みを日本でも発信し、ごみ排出量の削減を啓発する。


 スギセキ賞 焼津中央SDGs同好会のメンバーとスギセキの愛宕航希さん  焼津中央高 焼津中央SDGs同好会
 斉藤彩心/堀内小夏/佐野めい/増本佳奈/塩谷真子/司城かなみ
 「漁船の安定したエネルギー調達 水素を利用したメタネーション」


 漁船から排出される二酸化炭素と海水を用いて持続可能なエネルギーを作るというアイデア。エネルギーを化石燃料から水素に転換することで、漁業のCO2の排出量を削減し、海への関心を高めることにより海洋ごみ削減などにつなげる。


実行委員長講評 酒井敏県立大副学長 実感こもった提案  最優秀賞を受賞した富士宮西高・チームTMGのプランは、食材の中でも定番中の定番の卵で、世の中に数多く存在する卵料理の中で、プリンというスイーツに目を付けたあたりがとても高校生らしくて、自分たちも食べたいという実感のこもった提案になっていたのではないかと思います。
 その地域の良さというのは、自分がそこで生まれ育っていると、当たり前すぎてなかなか認識できないのが普通です。今後、地元を離れることがあっても、自分の感覚を大事にして、周りをよく観察してみてください。きっと、それまで気づかなかった自分の生まれ故郷の良さが見つかると思います。

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