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十国峠(函南町) 野出直輝社長 若者と外国人誘客に力【キーパーソン】

 伊豆や駿河をはじめ10カ国を見渡せたことに由来する函南町の景勝地、十国峠。2022年にケーブルカーなどの施設と運営会社を引き継いだ富士急行によるリゾート化が進む。インスタ映えを意識した施設改修を進めて若者を呼び込み、今後は外国人誘客にも力を入れる。

野出直輝さん
野出直輝さん

 -富士急行グループ入り後の取り組みは。
 「山頂テラスやケーブルカーの内外観など、四半期ごとに大型リニューアルを行った。施設はもちろん、提供する飲食物もインスタ映えを意識した。主力だった年配の方に加えて若い人に楽しんでいただきたいと考えた。山頂エリアの魅力を高めてケーブルカーに乗る人の割合を増やし、単なる休憩施設から『絶景を体感できる場所』にした。グランピング場もオープンした」
 -足元の業況は。
 「22年度の来場者数は約59万人。21年度の156%。ケーブルカーの乗車人数は21年度の2倍以上となり、3年後の目標にしていた10万人を突破した。特に8月以降の伸びが大きく、改革の成果が出ている」
 -今後の展望は。
 「年間来場者数100万人を目標にしている。3月に芦ノ湖遊覧船がグループ入りし、箱根、十国峠、熱海初島のゴールデンルートが誕生した。真ん中の十国峠を中心に一体となってPRする。1割に満たない外国人客に多く来ていただき、世界に通用する観光地にしたい。富士急行の海外拠点を通じた発信を始めた。外国人向けのレストラン整備を計画している。静岡県内の素材を取り入れた商品開発も進める」
 (東部総局・矢嶋宏行)

 のいで・なおき 1992年、富士急行入社。富士急トラベル社長などを経て2022年2月から現職。23年3月から箱根遊船社長を兼ねる。

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