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新種カメムシ 学名は「キシモトイ」小笠原で発見 初の採集者は岸本教授(地球環境史ミュージアム)に由来

 東京農大院生の嶋本習介さんらの研究チームが、小笠原諸島で発見した新種のカメムシを「オガサワラシロヒラタカメムシ」と命名し、学名を最初の採集者であるふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎教授にちなみ「ネソプロキシウス キシモトイ」とした。7日付の国際学術誌「Zookeys」電子版に掲載された。

ふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎教授の名が学名に採用されたオガサワラシロヒラタカメムシ(嶋本習介さん提供)
ふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本年郎教授の名が学名に採用されたオガサワラシロヒラタカメムシ(嶋本習介さん提供)

 岸本教授が1999年3月に同諸島・父島で採集し正体不明のまま標本化したシロヒラタカメムシ属の一種。嶋本さんらによる2021~22年の同諸島の野外調査でも採集され、詳細な個体観察の結果新種と判明した。
 シロヒラタカメムシ属はこれまで9種が確認されているが、日本での発見は初。9種目の発見からは40年ぶりという。体長は米粒より小さい約3ミリ。森林の枯れ枝に生える菌類を食べて生きているとみられる。
 羽が短く「飛べない」ことが最大の特徴。岸本教授は「飛行能力を失うことで、海に落ちるリスクがなくなる。島で生きる昆虫にとっては『進化』と言える」と解説する。嶋本さんは「小笠原諸島で独自の進化を遂げた可能性を持つユニークな種。世界遺産としての価値を高めうる」とコメントを寄せた。
 新種と判明したオガサワラシロヒラタカメムシの標本は23日から4月2日まで、静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアムに展示される。問い合わせは同館<電054(260)7111>へ。

 

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