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ゴキブリの魅力を知って エッセーと図鑑発行 磐田・竜洋昆虫公園

 新種のゴキブリを次々と発見している竜洋昆虫自然観察公園(磐田市)職員の柳沢静磨[しずま]さん(27)が、これまでの研究経験や成果をまとめたエッセーと図鑑を執筆した。いずれも一般的には嫌われ者とされるゴキブリの魅力を詰め込んだ力作。柳沢さんは「多くの人は“知らず嫌い”。まず知ることから始めてほしい」と強調する。

ゴキブリ研究の経験をまとめた書籍を見せる柳沢静磨さん=磐田市大中瀬の竜洋昆虫自然観察公園
ゴキブリ研究の経験をまとめた書籍を見せる柳沢静磨さん=磐田市大中瀬の竜洋昆虫自然観察公園

 柳沢さんは専門学校を卒業後、同園に就職した。元々ゴキブリは苦手だったが、園で展示するために行った採集や飼育、繁殖を通じ、徐々に愛着を持つようになった。2018年に開始した「ゴキブリ展」は徐々に人気を集め、現在では毎年恒例のイベントに。20年には国内で35年ぶりに新種のゴキブリを見つけた後、22年までに国内外計5種の発見に関わった。
 エッセー「ゴキブリ研究はじめました」では「かわいい」と言い切るゴキブリのチャームポイントをはじめ、好きになった理由や新種発見に至る経緯をつづった。図鑑「ゴキブリハンドブック」では国内で確認されている64種を掲載し、生態の特徴などを解説する。ゴキブリ類がまとめられた図鑑は1991年以来、31年ぶりの出版という。
 柳沢さんは「ゴキブリは落ち葉などを分解するという生態系の中で重要な役割があり、嫌われているからこそ意外な一面が魅力的に映る。興味を持ってもらえたら、生物の多様性や自然について考えるきっかけになるのではないか」と語った。

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