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猫はなぜのどを鳴らすの? 「赤ちゃん返り説」が有力【ペットの質問箱】

  猫の体をなでたり、顔を近づけたりすると「ゴロゴロ」とのどを鳴らします。なぜでしょうか。

  このゴロゴロ、実は猫の気持ちを知る大切な手がかりの一つです。
 理由として最も有力なのは「赤ちゃん返り説」。子猫が母猫の乳を吸う時、のどを鳴らすことがあります。間違って母猫につぶされないようにするため、あるいは母猫に安心感を与えるためなどといわれます。
 成長した猫がのどを鳴らすのは、子猫の頃に戻ったように幸せや安心を感じているから。発信源は「仮声帯」という特殊な声帯で、リラックスすると毎秒30回以上で振動し、あの独特の声を発します。
 ただ、これとは別に「要求のゴロゴロ」と呼ばれる、飼い主に何かを望んでいる時に出す声があります。ゴロゴロの中に高周波の声を含むのが特徴です。
 実験では、この高周波の声だけを取り出して被験者に聞かせると、猫を飼ったことのない人でも「緊急性がある」と感じ、逆に高周波の声を除くと通常の「幸せのゴロゴロ」と受け止めたそう。人間が猫のとりこになるのは、養育本能を刺激する「謎の高周波の声」のせいかもしれません。
 さらに、けがをした時や死の直前にものどを鳴らすことがあり、これは緊張を静めようとする防衛反応と考えられています。また、ゴロゴロの周波数と振動が骨折の治癒を早めるという研究もあり、それらを使った治療が有名スポーツ選手の競技復帰を支えたという逸話もありますよ。
 (早馬正人・静岡県獣医師会員)

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