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違反歴ある75歳以上の免許更新「運転技能検査」義務化 静岡県内教習所、高齢者の負担軽減に力

 一定の交通違反歴がある75歳以上のドライバーが運転免許証を更新する際、新たに「運転技能検査」の受検が義務付けられる改正道交法が13日、施行された。県内の自動車教習所は急ピッチで準備を進め、混雑回避などに向けて受け入れ態勢を改良する動きがある。高齢ドライバー対策の柱の一つとして始まった新制度を悲惨な事故の発生防止につなげようと、関係者が周知に力を入れている。

認知機能検査の直後、高齢者講習で運転の評価を受ける高齢者(右側2人)=13日午前、静岡市葵区の古庄自動車学校
認知機能検査の直後、高齢者講習で運転の評価を受ける高齢者(右側2人)=13日午前、静岡市葵区の古庄自動車学校

 違反歴がある75歳以上を対象とした実車試験の運転技能検査が追加されることで、各教習所では一層の混雑や受講待ち日数の長期化が予想される。静岡市葵区の古庄自動車学校は13日から、それぞれ別の日に受講してもらっていた従来の「認知機能検査」と「高齢者講習」を同じ日に受けられるよう変更。コース内には、高齢者講習と運転技能検査の両方で活用できる「乗り上げ段差」を新設した。
 松本成立校長(60)は「高齢者の受講負担や混雑を減らすと同時に、各種受講が間延びするデメリットを解消できる」と期待する。
 8月に75歳になる違反歴のない静岡市清水区の無職若杉光昭さんは同日午前、認知機能検査と高齢者講習を計約3時間かけて受け、「踏み間違いには気を付けようと改めて思った。今後も安全運転を続けたい」と話した。
 運転技能検査が義務付けられるのは、免許更新時の誕生日の160日前を起点に、過去3年間で信号無視や逆走など11種類の違反のうち一つでもあった75歳以上。免許有効期限の6カ月前から繰り返し受検できるが、期限までに合格しないと更新はできない。100点満点からの減点方式で、普通免許は70点以上が合格になる。
 2021年の県内の人身事故は1万9382件で、10年前と比べほぼ半減した。ただ、そのうち75歳以上による事故数は10年前から横ばいで推移し、21年は1802件だった。
 

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