社会部 荻島浩太
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検視や歯型鑑定 3医師に感謝状 静岡県警察協力医会総会
遺体の検視業務や身元不明者の歯型鑑定に当たる医師、歯科医師でつくる県警察協力医会(杉本忠彦会長)はこのほど、本年度の総会を静岡市葵区で開いた。 長年にわたって警察活動に協力したとして、大井胃腸科・外科医院(焼津市)の大井俊孝院長(73)が県警本部長感謝状の特別協力章を、山口医院(函南町)の山口千賀志院長(71)、土屋歯科医院(熱海市)の土屋元雄院長(66)の2人が同感謝状の一般協力章をそれぞれ受けた。 県警の河合竜司刑事部長は「県警が取り扱う遺体は昨年も4千体を超え、高水準が続く。熱海市の大規模土石流の現地でも歯型鑑定などの協力で迅速に遺族へ帰すことができた」と謝辞を述べた。 同協力医
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200人で一斉捜索へ 熱海土石流、発生1年の7月3日
静岡県警の山本和毅本部長は23日、熱海市伊豆山の大規模土石流の発生から丸1年を迎える7月3日、行方不明になっている太田和子さんの一斉捜索活動を、過去最多の約200人態勢で展開する方針を明らかにした。民間ダイバーが初参加し、海中の捜索範囲も広げて発見に全力を注ぐ。 県警の約170人に加え関係機関や民間団体から約30人が協力する。計200人は毎月3日に続けてきた一斉捜索で最多となる。 民間ダイバーは日本水難救済会静岡広域DRSのメンバー4人で、伊豆山港内で潜水して太田さん発見につながる手掛かりを探す。周辺海域の捜索範囲も南側に拡大する。 6月3日には、旧小嵐中敷地内の土砂集積所で太田さん名
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特殊詐欺 民事訴訟加速へ 静岡県警が県弁護士会に要望書
暴力団組織などが背景に潜む特殊詐欺事件の早期解決と被害者救済を加速させるため、静岡県警は23日、積極的な民事訴訟の提起などを求める要望書を県弁護士会民事介入暴力対策委員会に提出した。県警組織犯罪対策課によると、組トップらの直接的な指示や関与が疑えない場合でも、弁護士会などとの協定を生かして「受け子」ら実行犯への提訴を期待する要望で、全国的にも極めて珍しい内容という。 2007年に県警、同委員会、県暴力追放運動推進センターで締結した「三者協定」に基づき、これまでも指定暴力団の事務所撤去活動や「ヤミ金」事件を巡る損害賠償提訴などで連携を図ってきたが、後を絶たない特殊詐欺でも改めて連携を強化する
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記者コラム「清流」 お節介でサギ電から守ろう
「サギ電話が昨日から多発中だよ、注意して」「うちはお金ないから平気だけど、気を付けるよ」。6月初旬のある日、実家がある沼津市内でサギ電話が多発中と聞いた直後、母親(66)と交わしたメールのやりとりだ。 特殊詐欺被害の防止に向け、県警は昨年秋から県内を7ブロックに分け、サギ電話多発地域に注意報や警報を発令して緊急対策を講じてきた。 新聞読者が多いとされる高齢層だが、普段ニュースに触れない人が被害に遭う傾向との指摘もある。啓発の効果を高めるには地域住民や友人、現役世代の家族らが連絡などの「お節介」をする姿勢は欠かせないと思う。記事に加え自らの行動で、幅広い年代が被害の可能性を「自分事」と捉え
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青空の下、軽快な演奏 静岡・駿府城公園 県警音楽隊が魅了
静岡県警音楽隊は25日、静岡市葵区の駿府城公園でコンサートを開いた。青空の下、隊員らが軽快な演奏と演技を披露し、公園を訪れた親子や散歩途中の市民を魅了した。 駿府城公園を会場にしたコンサートは5回目で、今回は木管楽器を中心とした珍しい編成で臨んだ。民謡やご当地ソングなど計7曲を次々と奏で、カラーガードはフラッグなどを使った華やかな踊りで演奏をもり立てた。 合間には、県警交通企画課の担当者が5月の「自転車月間」を踏まえ、安全な自転車利用などを呼び掛ける啓発活動を行った。
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自転車利用、ルール順守を 静岡県警が一斉指導取り締まり
静岡県警は20日朝、県内全28署で一斉の自転車指導取り締まりを行った。事故発生状況を分析して各署が選定した指導啓発・抑止対策重点地区で活動を展開し、通勤通学途中の利用者に安全な運転と交通ルールの順守を求めた。 県警はPDCA(計画、実行、検証、改善)サイクルに基づき、新たなキャッチフレーズ「しずおか・自転車事故防止三つの柱+1(プラスワン)」を掲げて対策強化に乗り出している。この日の活動は全国一斉の指導取締日に合わせた。 静岡中央署は中心街の静岡市葵区両替町で実施。山本和毅本部長が立ち会う中、一時停止の標識がある交差点で一時停止しなかった利用者に「自転車指導カード」を交付し、キャッチフレ
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違反歴ある75歳以上の免許更新「運転技能検査」義務化 静岡県内教習所、高齢者の負担軽減に力
一定の交通違反歴がある75歳以上のドライバーが運転免許証を更新する際、新たに「運転技能検査」の受検が義務付けられる改正道交法が13日、施行された。県内の自動車教習所は急ピッチで準備を進め、混雑回避などに向けて受け入れ態勢を改良する動きがある。高齢ドライバー対策の柱の一つとして始まった新制度を悲惨な事故の発生防止につなげようと、関係者が周知に力を入れている。 違反歴がある75歳以上を対象とした実車試験の運転技能検査が追加されることで、各教習所では一層の混雑や受講待ち日数の長期化が予想される。静岡市葵区の古庄自動車学校は13日から、それぞれ別の日に受講してもらっていた従来の「認知機能検査」と「
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静岡人インタビュー「この人」 嶋田浩之さん ツイッターで山岳遭難や水難事故防止を呼び掛けている静岡県警の警部
地域課の企画第2課長補佐。昨年10月に専用ツイッターを開設以来、担当者として週に2~3回の更新を続ける。危険な山登りに対する注意喚起をはじめ、遭難と救助の具体的な事例紹介など内容は多岐にわたる。分かりやすくユニークなツイートが好評で、多い時は120万人以上が閲覧している。登山やマラソンが趣味で、筋トレも欠かさない。札幌市出身。45歳。 ―心掛けるツイート内容は。 「春山など季節ごとテーマを決め、山や海など自然の特徴を捉えた写真と動画を多めに掲載して閲覧者の興味を引きつけたい。山岳遭難救助隊の隊員が撮った迫力ある写真はメッセージ性が強い。自らも可能な限り現場に赴いて撮影に挑んでいる」 ―
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詐欺防止「推進地区」 静岡県警選定 高齢女性特化し対策
静岡県警は26日、特殊詐欺被害の中心になっている65歳以上の高齢女性に特化した新たな防止対策「さくらセーフティ作戦」に向け、最初の本部戦略会議を県警本部で開いた。不審電話などが多発している地域を「推進地区」の候補に選定し、県内各署に情報提供した。 戦略官の加藤悟生活安全部長は「警察の総合力を発揮し、一致団結で阻止したい。各署への情報提供は分かりやすく迅速に」と指示した。副戦略官の山下信義組織犯罪対策局長は「摘発と防止が車の両輪のごとく機能するよう、効果的な対策で目的達成を」と求めた。 新たな作戦は、対象者を「昭和32年(1957年)以前生まれの女性」と強調して呼び掛けることで当事者意識を
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詐欺防犯重点、高齢女性へ 65歳以上被害の8割 静岡県警
後を絶たない特殊詐欺被害の新たな対策として、静岡県警は5月、被害の中心になっている65歳以上の「高齢女性」に特化した防犯広報戦略を始める。PDCA(計画、実行、検証、改善)サイクルに基づいて各種対策の見直しを定期的に行い、被害が多い地区などで活動を重点展開する。 新たな対策は、65歳以上の被害者のうち8割が女性である現状に着目。女性被害者の5割が独居で、同居家族がいても被害時に単独で過ごしていた人は3割に上る。こうした実態を踏まえ、対象を特化して戸別訪問などで防犯指導を徹底する。施策名は「さくらセーフティ作戦」で、「さくら」は「詐欺から女性の暮らしを守る」の一部文言を引用した。 PDCA
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サイバー犯罪情報 迅速発信 静岡県警、専用ツイッター運用
静岡県警サイバー犯罪対策課は11日、サイバーセキュリティー対策やサイバー犯罪の最新情報などを迅速に発信するため、専用ツイッターの運用を始めた。 公式アカウント名は「@shizuoka_cyber」。同課のオリジナルキャラクターとして2017年に誕生した女性警察官「此花(このはな)あさひ巡査」を頻繁に登場させながら、対策係の担当者が月2回以上のペースでツイートしていく。 具体的には、携帯電話の利用者を偽サイトに誘導し、情報を盗み取る「フィッシング詐欺」への注意を県民に呼び掛け、企業にも身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」対策になる情報などを配信する。 初日は、「第1回サイ
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映像解析技術で捜査支援 静岡県警、巧妙化犯罪へ「分析課」発足
静岡県警は1日、巧妙化する各種犯罪に対応するため、防犯カメラやドライブレコーダーの映像分析などを担う「捜査支援分析課」の発足式を県警本部で行った。鍋田共志課長が「関係部署と緊密に連携をし、県民の安全安心に向けてまい進する」と決意表明した。 山本和毅本部長は、情報技術(IT)などの悪用で複雑、巧妙化する近年の犯罪形態を捉え「客観証拠がより強く認められるようになり、デジタル解析捜査を抜本的に強化する。部門の垣根を越えて広く、横断的に支援して解決に導いてほしい」と訓示した。 捜査支援分析課は3月28日、58人体制で刑事部内に設置された。同様の業務を行ってきた刑事企画課内の捜査支援室を格上げし、
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犯罪の不安解消 防犯カメラ「有効」8割 静岡県民調査
静岡県が1月に実施した「犯罪に対する不安解消」に関する県民モニターアンケートによると、不安解消に有効な方法について「防犯カメラや街灯などの充実」と回答した人が全体の8割を占めた。街頭防犯カメラの導入促進が犯罪抑止に有効と捉える声の高まりを受け、県警は通学路を含む県内各地の危険箇所への整備を加速し、住民による自主的な防犯活動につなげる。 アンケートは県警の依頼で1月7~20日に行われ、673人が回答した。通常の生活の中で「被害に遭う(可能性がある)と思う」と答えた人(実際に被害に遭った人も含む)に理由を聞くと、50・3%が「防犯カメラや街灯が整備されていない」と回答。有効な解決策は「カメラや
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記者コラム「清流」 新東名、避けたい“共有”
取材に出掛ける際、新東名高速道を乗用車で頻繁に走行する。全線6車線化した県内区間。必要に応じ、片側3車線のうち一番右の追い越し車線を走ることもあるが、気付くと前方に時速100キロ前後の大型トラックがいて驚くことが多い。 「大型トラックは一番左の第1通行帯を走るのがルールで、最高速度規制は80キロに据え置かれているはず」―。そんな疑問を抱きながらも十分な車間距離を保つことに注力し、中央の通行帯に戻ることもしばしば。 高速道路上を中心に、大型トラックが絡む重大事故は後を絶たない。制限速度などが異なる車同士の事故を防ぐには「すみ分け」の徹底が不可欠だ。大型トラック側の理解が広がり、交通環境が向
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静岡人インタビュー「この人」 坂上雅信さん 第6代県警山岳遭難救助隊長
富士山や南アルプスなどでの遭難救助を続けて27年目の今春、隊員28人を束ねるトップに就いた。現場の陣頭指揮とともに、遭難防止などの広報啓発に力を入れる。札幌市出身。52歳。 ―意気込みを。 「隊員たちは『人の命を助けたい』一心で入隊を希望し、多くが山岳未経験から経験を積む。勉強熱心で意志が強い若手は多く、仲間として誇りに思う。どんな危険な現場からも『必ず生きて家に帰る』よう伝え、一緒に成長したい」 ―救助隊を志したのは。 「高校2年の時に修学旅行で新幹線から富士山を見た時、『ここで人を助けなければ』と決意した。救助した遭難者から『ありがとう』の5文字をもらった時に何よりやりがいを感じ
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犯罪被害者支援「想像し接して」 静岡で遺族講演会
認定NPO法人静岡犯罪被害者支援センターや県警などはこのほど、犯罪被害者支援講演会を静岡市葵区で開いた。山口県周南市で2006年、当時20歳の長女を殺害された中谷加代子さん=同県防府市=が講演し、支援のあり方について「誰もがある日、突然被害者になり得る。自分や自分の家族だったらどう接してほしいかを想像し、自然な形で思いやって」と訴えた。 高専5年生だった長女の歩さんは06年8月、当時19歳で同級生の男子学生に高専の研究室で首を絞められて亡くなり、指名手配していた男子学生は山中で自殺した。中谷さんは最愛の娘を救えず自責の念を抱き続けたが、「職場の上司や友人ら周囲の圧倒的な優しさに包まれ、加害
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マグロ裁断実演も 産業フェア、28日まで ツインメッセ静岡
静岡市が誇る地場産品や農林水産物、観光情報を集めた産業フェアしずおか2021(静岡産業振興協会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が27日、同市駿河区のツインメッセ静岡で始まった。入場無料。28日まで。 市内外の約170団体が物販や各種体験ブースを構えた。40回目となる今回は開催を記念した「メイドインしぞ~か弁当」も販売。予約分だけで完売する盛況ぶりだった。 清水港から直送したマグロの特売エリアでは冷凍マグロの裁断ショーがあり、来場者の注目を集めた。しずおか焼津信用金庫は今夏の中部横断自動車道の全面開通を受け、山梨、長野両県の信金と連携した物産展も実施。甲信地区の18社・団体が総菜や菓子類、
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サポカーお試しを 県警など初の乗車会、来年度は会場拡大へ
静岡県警と日本自動車販売協会連合会(自販連)県支部は21日、安全運転サポート車(サポカー)の無料体験乗車会を静岡市葵区の中部運転免許センターで初開催した。免許更新での来所者をはじめ、サポカーの先進安全機能に興味のある人が多数参加し、追突事故の防止につながる衝突被害軽減ブレーキや、ブレーキとアクセルの踏み間違い時の急発進抑制装置などを体感した。 試験コース上に、県内の販売業者5社が多種多様なサポカーを配置。運転技能の衰えを心配する高齢者の家族や、新車への買い替えを検討中のドライバーらが乗車し、安全機能の特徴や仕組みを把握した。自動でバック駐車する支援システム搭載の車にも試乗した。 県警交通
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盛り土「小田原」出どころか 静大・北村教授(地質学)が分析
熱海市伊豆山の大規模土石流で崩落した盛り土付近の土石を採取し、成分などを分析してきた静岡大防災総合センター長の北村晃寿教授(地質学)が3日までに、調査結果をまとめた。採取した貝殻が分布する地層に神奈川県小田原市内の下流域を挙げ、伊豆山に運び込まれた土砂の出どころと推定した。 盛り土を造成した小田原市内の不動産管理会社は熱海市のほか、神奈川県西部の各地でも土地改変や宅地造成を繰り返していたとされ、建設残土などが伊豆山に運び込まれた可能性が高まった。 調査結果は、盛り土の供給源の土砂を使った土石流の再現実験などでも重要な役割を果たすとみられる。 北村教授は9月3日、崩落を免れた部分の盛り土
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余剰食品を必要な人へ 高校生ら呼び掛け イトーヨーカドー静岡店
静岡市などは「食品ロス削減の日」の30日、インスタント食品や缶詰など家庭で余っている食品を寄付する「フードドライブ」の啓発イベントを同市駿河区のイトーヨーカドー静岡店で行った。地元の高校生らが来店者に協力を呼び掛けた。31日も実施する。 城南静岡高(同区)の小林沙妃夏さん(16)と静岡福祉医療専門学校(同区)の学生4人が参加した。持参した食品は専用の回収ボックスに入れてもらい、アンケートに答えた人にはエコバッグを贈った。 高校で地域貢献部に入り、校内の回収ボックスへの寄付も続ける小林さんは「2日間、少しでも活動に協力できたら」と話した。 31日は静鉄ストアの葵区内3店舗などでも行い、食