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テーマ : 浜松市

徳川財団の文化財2万点 収蔵展示には狭すぎ? 浜松大河ドラマ館建物、面積不足

 浜松市は7日、1月に閉館した浜松城公園内の「浜松大河ドラマ館」(中央区)を活用して整備を計画する徳川記念財団の所蔵品展示収蔵施設について、国の指針に沿って規模を改めて概算した結果、現建物は貴重な文化財を収蔵・展示するには狭く、現施設だけでは必要面積の確保が困難であることを明らかにした。現時点で所蔵する資料の詳細も判明しておらず、3月中に予定していた施設整備案の提示を見送る。市議会2月定例会本会議で稲葉大輔氏(自民党浜松)の代表質問に答えた。

大河ドラマに合わせて開館した浜松大河ドラマ館。閉館後は徳川記念財団の所蔵品展示収蔵施設の整備が計画されている=2022年、浜松市中央区
大河ドラマに合わせて開館した浜松大河ドラマ館。閉館後は徳川記念財団の所蔵品展示収蔵施設の整備が計画されている=2022年、浜松市中央区

 市によると、徳川宗家から管理を託された資料や各地の美術館に収蔵中の品を含めた所蔵品は約2万点。国指定重要文化財の茶道具「唐物肩衝茶入 銘 初花」や家康公直筆の書画、将軍が継承した刀剣など貴重な資料が多く含まれることが分かり、改めて収蔵や展示に必要な施設規模を調べ直した。国の指針通りに管理するには収蔵庫だけでも最低600平方メートルの施設面積が必要で、約600平方メートルの現建物と敷地内の関連施設を最大限活用しても収蔵・展示が難しいことが判明したという。市はこれまで、仮設構造の現建物を常設に作り替えて活用する方針を示していた。
 所蔵品は品目が膨大なため、同財団による詳細な確認作業が遅れている。完了するのは夏ごろになる見通しで、3月中に提示する基本計画案には最終の施設整備案は盛り込まず、現建物の活用を想定して検討した複数の整備案、本来必要となる施設規模、コンセプトなどをまとめるという。施設の在り方を議論する有識者検討委員会は2024年度も継続して開催する。
 石坂守啓企画調整部長は「引き続き所蔵品の全数調査の結果を踏まえ、有識者の意見や市民の声を聴き、施設の在り方や整備案を検討していく」と述べた。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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