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テーマ : 浜松市

河合楽器、創立100周年へ決意新た 新社長に健太郎氏「弘隆氏の遺志引き継ぐ」

 河合楽器製作所のトップとして約35年間に渡り経営手腕を発揮してきた河合弘隆氏の突然の死去に伴い、新社長に28日就任した河合健太郎氏(46)。2020年6月から副社長として、弘隆氏とともに「世界一のピアノづくり」を目指してきた。同日の取締役会終了後、健太郎氏は役員たちに「(2027年の)創立100周年、さらにその先に向かって身をささげる覚悟だ」と決意を述べた。

浜松科学館の河合楽器製作所常設ブースをリニューアルし、あいさつする河合健太郎氏=2022年9月、浜松市中央区
浜松科学館の河合楽器製作所常設ブースをリニューアルし、あいさつする河合健太郎氏=2022年9月、浜松市中央区

 健太郎氏は創業者の河合小市氏、滋氏、弘隆氏に続く4代目となる。関係者によると取締役会後、「(弘隆氏の死去で)深い悲しみの中ではあるが、空白期間を設けてはいけない。代表取締役を務めさせていただく」と表明。「弘隆氏の遺志を、私を含めて皆さんと引き継いでいく」と思いを語ったという。
 副社長時代は弘隆氏を支え、同社最高級グランドピアノ「シゲル・カワイ」や、フルコンサートピアノ「SK―EX」など、世界から性能や音質で高い評価を受けている高価格帯ピアノの販売強化に取り組んできた。同社ピアノを使用し、ショパン国際ピアノコンクールなどの大会で上位入賞を果たしたピアニストとの交流も深めた。
 22年9月には浜松科学館(浜松市中央区)の同社常設ブースをリニューアル。ピアノと連動させて床に敷くセンサー付き鍵盤マットを展示し、演奏を楽しめる場所を提供するなど、地域域貢献活動も重視してきた。
 23年4~12月期連結決算は、成長著しかった中国市場の陰りなどで第3四半期として3年ぶりの減収減益となった同社。突きつけられた課題にどう対処するか、日本を代表するピアノメーカーを率いる新トップの手腕が問われる。
 (浜松総局・大山雄一郎)

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