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テーマ : 経済しずおか

銅再資源化強化へ工場新設 家電、車用モーター処理 野末商店 リサイクル素材供給増

 金属リサイクルの野末商店(磐田市、野末洋介社長)は、家電や自動車、産業用ロボットの小型モーターに使われている銅の再資源化事業を強化している。今月上旬、同市竜洋稗原で専用の新工場を稼働した。国内メーカーの脱炭素意識の高まりを受け、リサイクル素材の供給を増やす。

スクラップから取り出された銅=21日午前、磐田市竜洋稗原
スクラップから取り出された銅=21日午前、磐田市竜洋稗原
野末商店が稼働した新工場=21日午前、磐田市竜洋稗原
野末商店が稼働した新工場=21日午前、磐田市竜洋稗原
スクラップから取り出された銅=21日午前、磐田市竜洋稗原
野末商店が稼働した新工場=21日午前、磐田市竜洋稗原


 同社は工場などから排出されるスクラップを回収して金属素材を取り出し、国内の非鉄金属製錬・鉄鋼メーカーに販売している。特に、モーターや熱交換器など樹脂を含む金属複合材のリサイクルを得意とする。
 銅を含む廃棄物は多くが新興国に流出し、メーカーは南米などから銅鉱石を輸入しているのが現状という。二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルに向けてリサイクル材使用率を高める大手製造業の動きを捉え、国内での再資源化、循環型経済の実現に貢献しようと事業強化に乗り出した。
 約2900平方メートルの用地を取得し、最新の設備でスクラップの破砕から銅などの素材選別までのほぼ全工程を自動化した工場を新設した。年間6千トンの処理が可能という。投資額は約8億5千万円。
 現在、処理は家電用が中心。電気自動車(EV)の普及や工場の自動化で小型モーターの使用量が増えているため、新たな入荷先の開拓に取り組む。自社工場への太陽光パネル設置も進めていて、処理時にCO2排出を抑えた「グリーン原料」として売り込む。3~4年後には新工場の売上高30億円を目指す。
 3月下旬には、金属加工の際に発生する汚泥から銅などを抽出、販売する相模原市の企業の全株式を取得し、子会社化した。野末社長は「日本は資源が少ない国なので、市場に流通している素材を大切にすべき。今後、リサイクルの質をさらに高め、日本の製造業に貢献したい」と話した。

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