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テーマ : 経済しずおか

日鉄買収 株主判断に注目 USスチール 日米首脳も発言 

 【ワシントン、ニューヨーク共同】日本製鉄によるUSスチール買収が、全米鉄鋼労働組合(USW)の反対を受け政治問題化している。岸田文雄首相は10日に米ワシントンでバイデン大統領と会談後に開いた共同記者会見で、買収について「両国にとって良い話し合いになることを期待している」と発言。12日にUSスチールの臨時株主総会が予定されており、株主の判断が注目される。
 岸田氏は会見で「日本は米国にとって最大の投資国であり、米国で約100万人を雇用している」と米経済への貢献を強調。「今後も両国にとってウィンウィンな流れを確実なものにしていきたい」と語り、米側に理解を求めた。
 バイデン氏は労働者保護を理由に買収に反対する考えを示した3月の声明を前提に「労働者との約束を守る」と話す一方、「同盟国との約束を守る」とも述べ、日本側への配慮もにじませた。
 米ニュースサイト、ポリティコは10日、米司法省がこの買収について、反トラスト法(独占禁止法)に基づく審査を始めたと報じた。これに先立ち国家経済会議(NEC)の委員長が「同盟国の企業の買収であっても、安全保障と供給網への影響という点で、真剣な精査に値すると(大統領は)考えている」との声明を公表しており、当局の別の審査も見込まれている。
 日鉄は昨年12月、USスチールを約2兆円で買収すると発表した。「強い決意のもと、買収を完了させる」と表明する一方、買収に起因するレイオフ(一時解雇)や工場閉鎖を行わない方針を打ち出している。
 日鉄と協議を継続するUSWは買収に反対の姿勢を崩していないものの、USスチールの経営陣は賛同の立場を鮮明にしている。

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