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テーマ : 経済しずおか

【聞きたい】免許返納後も移動の喜びを 電動アシスト四輪自転車発売 望月誠/セリオ社長 

 ハンドル形電動カートを製造販売するセリオ(浜松市中央区)は4月、自社開発新商品の電動アシスト付き四輪自転車「遊歩リベルタ」の販売を始めた。高齢化に伴う運転免許返納の動きを受け、新たな移動の選択肢となる電動モビリティの需要獲得戦略を聞いた。

望月誠社長
望月誠社長


 ―新製品の特徴は。
 「『安心して移動できる』が原点。低床・低重心かつ後傾姿勢で運転できる構造で、転倒リスクを軽減できる。昨年秋に始めたレンタル、リースの取り扱いが好調だったほか、年1500台の生産態勢も整った。体が動く人は免許返納後すぐに電動カートや車いすを利用するのは抵抗があるようなので、その間を橋渡しする位置づけにしたい」
 ―事業の中核と強みは。
 「介護保険対象の福祉用具レンタル事業が主力。事業所向けが多いが、製販一体の強みを生かして個人顧客への訴求を強化している。全国に展示販売の直営店『モビリティショップ』の出店に注力していて2029年までに現在の18店舗から50店舗に増やす計画。顧客の自宅周辺や利用する場所で試乗や安全運転指導、定期点検を行い、寄り添うサービスを重視している。高齢者が自ら電動モビリティを運転し、移動する喜びを後押していく」
 ―今後の事業展望は。
 「取引先事業所の拡大で23年6月期の売上高は61億円と、ここ数年は年6%程度継続的に伸びている。免許を返納したくても移動の代替がなく、できないという声を聞き、市場開拓の余地はまだ大きい。7年前からほぼ倍増させ570人(23年12月時点)となった従業員の力を結集し、開発販売、営業力を高める。受注が拡大する中で必要に応じて工場の増設投資も行う」
 (聞き手=浜松総局・山本雅子)

 もちづき・まこと 1997年入社。代表取締役常務を経て2015年から現職。54歳。静岡市出身。

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