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熱海市 コミュニティー拠点整備【東部23年度予算案⑤】

 2年前に閉校した熱海市立網代小。2月下旬、母校の前で地元出身の山崎明洋さん(40)と渡辺淳司さん(38)はつぶやいた。「古里が衰退していくのはやはり寂しい」「でも、住民だけで再生するのは厳しい」-。

旧網代小の前で古里の未来を語り合う山崎さん(左)と渡辺さん=熱海市網代
旧網代小の前で古里の未来を語り合う山崎さん(左)と渡辺さん=熱海市網代

 網代地区の人口は1274人(1月現在)。15年間で3割減った。2006年に網代中が閉校し、17年に網代幼稚園が休園に。住民の心のよりどころが次々に閉鎖され、活力が失われつつある。
 一方で、新型コロナウイルス禍を機に首都圏から移住してきたり、都心との2拠点生活を始めたりする人もいる。山崎さんたちはこうした人を巻き込んで地域再生を目指している。「今の網代には住民と移住者、企業をつなぐ場所が必要。新たな事業や雇用を生むきっかけにもなる」と山崎さんは強調する。
 こうした思いに呼応するように、市は旧網代小にオフィスや集会所機能を備え、人や事業をつなぐ拠点に整備しようと、23年度当初予算案に関連経費3億3300万円を計上した。担当者は「地域の担い手を呼び込み、さまざまな課題解決を図りたい」と話す。
 他市町もコミュニティーの拠点整備や関係人口創出に力を入れる。東伊豆町は伊豆急行伊豆稲取駅の空きスペースに地域向けの飲食スペースやワーケーション施設を整備する予算に600万円を計上。町は「東伊豆の未来を発信させるハブづくり」としている。
 松崎町は鳥取県智頭町と共同で「デジタル村民コミュニティ」を構築し、関係人口の創出や地域課題の解決を図る。100万円を予算計上し、住民と「デジタル村民」となった会員が同じプラットフォーム上でまちづくりについて話し合う。三島市は精神、身体、社会的に良好な状態を示す「ウェルビーイング」の視点を取り入れたまちづくりに市民の積極的な参画を促す。関連費用140万円を盛り込み、ウェルビーイングミーティングや講演会を開く。

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