徳川財団資料展示施設で浜松市 場所再選定含め検討
浜松市は１月に閉館した「浜松大河ドラマ館」（中央区）の後利用策として検討してきた徳川記念財団の所蔵品展示収蔵施設について、現在の建物が国の文化財公開施設の指針を満たしていなかったことが判明したことを受け、用地の再選定の可能性を含めて検討する。８日に開いた展示収蔵施設の外部有識者による検討委員会で明らかにした。
同施設は同財団が全国で分散所蔵する徳川家ゆかりの資料約２万点を集約し展示する場として、昨春から市が整備を検討してきた。市はこの日の委員会で概算費用を初めて説明した。物価上昇を加味し、現建物の増改築または一部新築の場合は２３億～４２億円、すべて解体新築する場合は５９億～６５億円と試算した。委員からは「費用が膨らむ可能性があり、市民の理解が欠かせない」との意見が出た。
市の説明によると、財団のすべての資料を指針通り収蔵するには延べ６００平方メートルの面積と湿度管理の機能などが求められ、増改築か解体新築が最低条件。十分な展示室を付属するには延べ６００平方メートル、体験や学習を可能にするなら延べ８００平方メートルの追加が必要だが、この敷地は地下に浜松城の関連遺構があるため建築できる区域が限られ、都市計画法で地上４階以上の建築や地下の活用も制限されている。
市は「望ましい施設を造るには現建物を解体しても面積が足りない」とし、機能の限定や分散、場所の再選定などを含めて検討するとした。本年度中を予定していた基本計画の決定は秋以降に延期する。
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