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テーマ : 経済しずおか

デザイン再現性に活路 アミノ(富士宮市)/網野雅章社長【キーパーソン・最前線】

 プレス加工機を製作し、国内外の主要自動車メーカーに卸している。成形の幅を広げる独自技術の開発に力を注ぎ、限定車種などの外板パネルの細かなデザインへの対応を可能にしてきた。多様でニッチな要望に応える機械を追求する。

網野雅章社長
網野雅章社長

 ―強みの技術とは。
 「対向液圧成形法は素材にかかる負荷が従来のプレスよりも均一になり、深さを出せる。車体デザインの自由度が大幅に向上した。金型不要のダイレスNCフォーミングも編み出した。データ処理で成型の微調整ができ、メーカーの試作品製作に適する」
 ―自動車業界が変革期にあると言われる中、どのような立ち位置を目指すか。
 「市場が縮小したとしても、車好きの熱量は落ちないはず。ハイエンドモデル車に活路を見いだしたい。自社製品は量産には向かないが、こだわりの詰まったデザインを追求できる。大手メーカー各社のニッチな要望に応じられる存在が理想的。今の自動車業界は衝突安全性の向上と軽量化の両立が求められている。超高強度鋼部材を製造できるホットスタンピング技術や、炭素繊維強化プラスチックをプレス成形する技術に取り組んでいる」
 ―現状の課題は。
 「一番は人材確保。ソフトウエア業界が全盛で、機械工学を選ぶ学生が少ない。顧客に合うオーダーメードが売りのため、高度な技術を有する人材の育成が急務だ。“まちのプレス機屋”として1930年に創業して以来、一品一様の物づくりを強みに成長してきた。ただ、自動車業界に長く他分野には疎い。技術の発信力を高め、可能性を探りたい」
 (富士宮支局・国本啓志郎)

 あみの・まさあき 3代目社長。2003年に入社し、カナダと中国での勤務を経て10年から現職。51歳。

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