産業高度化 デジタルで 日銀副総裁 静岡県の可能性指摘
日銀の若田部昌澄副総裁は２日、静岡市葵区で開いた金融経済懇談会後に記者会見し、本県経済の成長に向け、デジタルを軸にした産業高度化に期待した。
今後の産業振興策として、飛躍的に能力が高まる人工知能（ＡＩ）を含めたデータ活用をポイントに挙げ、「農業やサービス業でも革新につながる。静岡県が強い製造業に限らず、幅広い産業に成長の可能性は開かれている」と指摘した。
清水港での食料品輸出や伊豆半島での温泉を核にしたヘルスケア産業創出、県西部を中心とした次世代自動車技術対応といった県内事例にも言及し「インフラや新たな知識を活用しつつ、人口減少抑制に向け、働きやすい地域づくりも進めてほしい」と求めた。
懇談会で県内経済団体など官民代表者から出た意見を踏まえ、「静岡県は関係者が一丸となってデジタル化、脱炭素の取り組みを加速させていると聞き、心強く感じた」と評価。「価格転嫁の遅れやエネルギー価格の上昇、人手不足などが中小零細企業の大きな負担になっていることや、企業の資金繰りや経営改善の支援が重要との指摘を受けた。中央銀行の業務を通じてしっかりサポートしていく」と述べた。
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