あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 経済しずおか

仕立て直し技術を応用 羽毛布団再生シュラフ 山昇(掛川市)【静岡ものづくり最前線】

 不要になった布団の羽毛を使ったシュラフ(寝袋)を開発した。古くなって生地が汚れた布団を預かり、羽毛の洗浄や生地の取り換えで再生させる仕立て直しのノウハウを生かした。キャンプや防災用品としての需要を見込み、家庭で眠っている寝具の有効活用を提案する。

不要になった布団の羽毛を再利用したシュラフ
不要になった布団の羽毛を再利用したシュラフ

 オーダーメードが基本。持ち込まれた古い布団や婚礼寝具などを解体し、中身の羽毛を洗浄した上で封筒型のシュラフに加工する。外側の生地は、肌触りを重視したポリエステルと綿の混紡、本格派のナイロンの2種類から選択できる。
 シュラフ1枚に400~600グラムの羽毛を使用するのが目安。シングルサイズの布団1枚でシュラフ2枚まで、ダブルサイズなら3枚に仕上げられる。顧客の要望に応じて、羽毛を足して冬用にしたり、首回りだけ増量して寝心地を変えたりする調整も可能。余った羽毛はクッション状の袋に詰めて返却する。
 羽毛布団の普及とリサイクル意識の高まり、世界的な羽毛の値上がりが開発の背景にある。池端重人代表(61)は「コンパクトに収納できて、毛布よりも保温性や耐久性がはるかに高い。災害時やキャンプだけでなく、急な友人の来訪など使い道は多い」と話す。
 
 企業情報 掛川市大坂960の1。年間130枚以上の羽毛布団の仕立て直しを手がける。1956年創業。従業員1人。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

経済しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む