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テーマ : 経済しずおか

紅こうじ、52社に供給 飲料や食品、自主回収相次ぐ

 小林製薬は24日、健康被害の恐れがある米こうじの一種「紅こうじ」について、飲料や食品メーカー、卸売業者など計52社に供給していたと明らかにした。食品原料として日本酒や菓子などへの使用を想定し2016年から販売しており、自社製造のうち約8割を飲料・食品メーカーなどに供給していた。22日に紅こうじを使ったサプリメントの自主回収を決めたことを受け、メーカー各社でも回収の発表が相次いだ。品質問題が供給先の他社製品にも波及した格好だ。

22日午後、腎疾患など健康被害を招いた「紅こうじ」のサプリメント製品の自主回収について記者会見する小林製薬の小林章浩社長(左)ら=大阪市
22日午後、腎疾患など健康被害を招いた「紅こうじ」のサプリメント製品の自主回収について記者会見する小林製薬の小林章浩社長(左)ら=大阪市

 宝酒造は24日、今年1月から販売していたスパークリング日本酒「松竹梅白壁蔵『澪』PREMIUM〈ROSE〉」約9万6千本を自主回収すると発表。福岡市の「ZERO PLUS(ゼロプラス)」も機能性表示食品「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ 濃厚チーズせんべい」の自主回収を始めたと明らかにした。
 この2社によると、24日時点で健康被害は確認されていない。いずれも小林製薬が製造し、使用中止を呼びかけたサプリと同じ紅こうじ原料を配合していた。ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市)は和菓子売り場で紅こうじを原料とした商品を販売し、紀文食品もイカの塩辛を自主回収する。
 小林製薬は、紅こうじのサプリを摂取した40~70代の男女13人から腎疾患などの報告が出ているとして、約30万袋を自主回収する。同社の23年の紅こうじ生産量約18・5トンのうち自社で使用していたのは2割程度で、残りの約8割は国内や台湾の飲料・食品メーカーなどに供給していた。着色などにも利用できるという。小林製薬は供給先の詳細を明らかにしていない。
 小林製薬は、紅こうじサプリで悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値を低下させる効果が期待できるとうたっていた。想定とは異なるカビ由来の成分が健康被害の要因となった可能性があり、成分の特定を進める。

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