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二輪部品のイハラ製作所 アルミ羽釜、開発 自社技術を結集 初の消費者向け「早炊きだから旨い」

 二輪エンジンなど輸送機器部品加工のイハラ製作所(浜松市浜名区)は自社の加工技術を生かし、一般消費者向けの初の製品となるアルミ製羽釜「アラヒ」を開発した。熱伝導率の高さを生かして急速に加熱を促す構造で「早炊きだから旨(うま)い」(同社)という。

アルミ製の軽量、頑丈な羽釜「アラヒ」。急速な加熱を促すため、底面には約70個の突起を施している=浜松市浜名区のイハラ製作所
アルミ製の軽量、頑丈な羽釜「アラヒ」。急速な加熱を促すため、底面には約70個の突起を施している=浜松市浜名区のイハラ製作所
イハラ製作所の初の消費者向け製品「アラヒ」
イハラ製作所の初の消費者向け製品「アラヒ」
アルミ製の軽量、頑丈な羽釜「アラヒ」。急速な加熱を促すため、底面には約70個の突起を施している=浜松市浜名区のイハラ製作所
イハラ製作所の初の消費者向け製品「アラヒ」

 羽釜は4合炊きで、幅25センチ、奥行き24センチ、高さ12センチ、重さ2キロ。市内で工業製品のデザインを手がける事務所「UO(ウオ)」と組んだほか、市内の日本料理店「勢麟(せいりん)」に監修を依頼。プロの料理人の米炊きのこだわりを投影し、現代生活に合わせたガスこんろ向け羽釜の完成へ、金型製作から鋳造、切削加工まで自社技術を結集させた。
 急速に炊くことで、米に発生するクラック(ひび割れ)を低減し、うまみが凝縮されるという。底面に約70個の突起を配して熱を受ける表面積を増やすことで加熱効率を高め、土鍋のふっくらした米の炊き上がりに対し、「シャキッとした程よい固さで、かむほど米の甘みを感じる」(同社)仕上がりになった。むらがない炊き上がりへ水の対流発生を促すよう内部をへこみ形状のデザインとしたほか、金属特有の臭いが水に移らないよう、炭化層の機能を果たすアルマイト処理も施した。
 浜松いわた信用金庫が企画した浜松地域の中小製造業とデザイナーが連携したものづくり創出プログラムを活用した。イハラ製作所総務部の堀尾健人さんは「自社技術を再認識でき、社内で新しいことに挑戦する機運が生まれた」と話した。
 一般予定販売価格は税込み3万800円。29日までクラウドファンディングサイト「マクアケ」で特別価格で先行販売している。
 (浜松総局・山本雅子)

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