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浜松移住の塩見さん夫妻、蜂蜜作りに奮闘 人類最古の醸造酒、ミード企画も

 静岡県外から浜松市天竜区に移住した夫婦が蜂蜜作りや販売に奮闘している。山中での養蜂から製造を一貫して担い、「養紡屋」のブランドを立ち上げた。人類最古の醸造酒とされる蜂蜜酒(ミード)の企画にも取り組むなど、多面的に魅力を発信している。

養紡屋が販売する瓶入りのミードと塩見さん=浜松市天竜区二俣町
養紡屋が販売する瓶入りのミードと塩見さん=浜松市天竜区二俣町


 神奈川県出身の塩見亮太さん(38)は20代の頃、酒造りを目指す過程でミードに関心を持った。各地の生産者や専門家を訪ねてミツバチの育成法を学び、2012年ごろから浜松市内に採蜜場を設けて養蜂業を始めた。抗生物質不使用、非加熱で作る蜂蜜の種類はミカンやハゼノキ、サクラなどさまざまだ。19年に結婚した未紗さん(39)=愛知県出身=と共に販路開拓を進め、22年に天竜区二俣町のクローバー通り商店街に直営店を構えた。
 蜂蜜作りが軌道に乗る中、プランを温めてきたミードの企画を本格化させている。ギリシャ神話にも登場するミードの原料は蜂蜜と水、酵母のみ。滋賀県の醸造所と材料の分量や加熱温度などを話し合い、製造を委託する。
 養紡屋では異なるたるで造る2種類のミードを販売している。いずれも500ミリリットル入り3850円。ほのかな甘さや豊かな香りを感じられる醸造酒の人気は広がり、年間700本ほどを売る。今後はイチゴや薬草などを用いたミードも検討していく。
 4~5月に本年度産の蜂蜜の生産が本格化する予定で、亮太さんは「ハチへの感謝の気持ちを忘れず、生活しやすい環境づくりを進める。ミードの魅力を伝える活動にも取り組みたい」と話す。
 (天竜支局・平野慧)

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