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テーマ : 経済しずおか

スズキ 印で鉄道輸送強化 グジャラート工場 引き込み線完成 脱炭素と効率向上

 スズキは主力市場のインドで、鉄道を活用した完成車の国内輸送を強化している。西部グジャラート州で進めたインド初の自動車工場敷地内への鉄道引き込み線の設置がこのほど完了し、稼働した。27両編成で一度に約270台運べる。広大な国土を持つインドでトラックによる陸上輸送を状況に応じて鉄道に切り替える「モーダルシフト」を推進し、輸送効率向上とともに、二酸化炭素(CO2)排出量削減や道路渋滞緩和に貢献する。

インド・グジャラート工場の敷地内に敷設された鉄道引き込み線(マルチ・スズキ提供)
インド・グジャラート工場の敷地内に敷設された鉄道引き込み線(マルチ・スズキ提供)
現地で開かれた式典(マルチ・スズキ提供)
現地で開かれた式典(マルチ・スズキ提供)
インド・グジャラート工場の敷地内に敷設された鉄道引き込み線(マルチ・スズキ提供)
現地で開かれた式典(マルチ・スズキ提供)

 スズキは2014年から、最寄り駅にトラックで運んだ上で切り替える形で鉄道輸送を利用している。今回はインド政府と連携したインフラプロジェクトの一環で、工場敷地内に直接引き込まれた鉄道線から輸送できる新しい形。インドの完成車輸送に占める鉄道割合は昨年12月時点で約23%だが、今回の整備などを通じ3割程度まで高めていく。北部ハリヤナ州の主力工場マネサールでも同様の引き込み線を整備中という。
 子会社のマルチ・スズキによると、整備された引き込み線は電化路線4本(積載線3本と待避路線)。西部グジャラート州の工場から最寄りのベチャラジ駅まで2・5キロ敷設され、駅への接続後に2方向に輸送する。完全稼働すれば、全土15カ所に年間30万台の配車が可能になり、その先の300都市に届けられる。年間5万台相当のトラック輸送量削減や、同3500万リットル分の化石燃料削減にもつながる。
 スズキは30年度に向け、新工場建設を含めてインドの年間生産能力を400万台以上にする計画で、グジャラート州の既存工場には将来のEV増産を見据えた四つ目の生産ライン(26年度稼働)を設ける。現行75万台から100万台体制に引き上げるなど生産が加速する中、輸送面の重要度も高まる。12日に現地で開かれた記念式典には、モディ首相もオンラインで参加。マルチ・スズキは、持続可能なモビリティ事業に対する姿勢を強調した。
 (浜松総局・山本雅子)

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