あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 経済しずおか

米鉄鋼労組 日鉄買収反対崩さず USスチール 大統領選 障壁に 

 【ニューヨーク共同】全米鉄鋼労働組合(USW)のマッコール会長は18日、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収について「取引そのものが問題だ」と述べ、改めて反対する考えを示した。11月の大統領選で対決が確実なバイデン大統領とトランプ前大統領は、ともに接戦州で優位に立とうと反対し、労組票の取り込みを目指す。労組が強硬姿勢を続ければ、買収実現への障壁となりそうだ。

日本製鉄のUSスチール買収を巡る構図
日本製鉄のUSスチール買収を巡る構図

 米国を象徴する企業の一つであるUSスチールの買収を巡っては、トランプ氏が「私なら即座に阻止する」と反応し、政治案件化した。USスチールが本拠を置く東部ペンシルベニア州は大統領選の接戦州として知られ、労組寄りの姿勢を取るバイデン氏も14日に、日鉄による買収に反対する考えを表明した。
 日鉄が昨年12月にUSスチールの買収を表明した直後から反対してきたマッコール氏は、米CNBCテレビのインタビューで「日本は同盟国だが、経済分野でも同盟国とは限らない」と強調。労働協約を締結する相手が日鉄本体ではなく買収完了後の米国子会社となることを問題視し、雇用の継続性についても不安があると述べた。
 一方、USスチールは18日、日鉄が買収後も雇用削減や工場閉鎖などを行わないことを約束する意見書をペンシルベニア州の新聞に掲載したと明らかにした。「工場は確実にとどまる」と地元への貢献も強調している。USスチールは「日鉄が最良のパートナーだ」として理解を求めた。買収実現に向け、対米外国投資委員会(CFIUS)が担うとみられる審査にも注目が集まっている。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

経済しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む