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テーマ : 経済しずおか

近づくマイナス金利解除 日銀総裁「春闘がポイント」

 日銀のマイナス金利政策の解除が近づいている。日銀は賃金と物価がそろって上昇する好循環の実現に自信を深めつつあり、2月29日にブラジル・サンパウロで記者会見した植田和男総裁は、2024年春闘が政策判断の「大きなポイントになる」と強調した。高水準の賃上げが実現すれば、10年超に及ぶ大規模な金融緩和策は正常化に向けた転換局面に入る。

日銀政策委員の主な発言
日銀政策委員の主な発言

 植田氏はこの会見で、好循環の実現は「見通せる状況にはまだ至っていない」と述べた上で「好循環が回り出していくかどうかの確認作業を続ける」と説明。この確認作業で春闘の行方が大きな意味を持つ。
 春闘の集中回答日は今月13日で、大企業を中心に結果が判明する。植田氏は「前向きな姿勢がかなりの企業から示されている」とも語っており、市場では18、19日に開かれる金融政策決定会合か、4月25、26日の会合のどちらかで約17年ぶりの利上げとなるマイナス金利政策の解除を決めるとの観測が強まっている。
 決定会合では、総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人の政策委員が議決権を持つ。高田創審議委員は2月29日に大津市で開いた記者会見で、正常化開始に前向きな姿勢を強調した。
 副総裁からもマイナス金利解除への「地ならし」と受け取れる発言が相次ぐ。内田真一副総裁は2月8日の会見で、マイナス金利を解除しても「緩和的な金融環境が維持される」と説明。氷見野良三副総裁は昨年12月の講演で「(大規模緩和の)出口を良い結果につなげることは十分可能だろう」と語った。決定会合では、昨年11月の会見で「(金融政策は)拙速に対応するよりも慎重にやった方が良い」と語った中村豊明審議委員らが解除に慎重姿勢を示す可能性もある。

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