テーマ : 浜松市

新聞販売、空調清掃の次は水産加工業 ウエストハママツHD 事業承継で多角化、地域産業振興

 浜松市中央区舞阪町の老舗水産物加工販売「マルマ中塩商店」が、新聞販売店を傘下に持つ同区の「ウエストハママツHD(ホールディングス)」に事業を譲渡し、新たなスタートを切った。同商店の前社長中塩弘之さん(80)は「後継者がいない中、同じ市内で安心して任せられる企業が見つかった。会社を発展させてほしい」と期待を寄せる。

マルマ中塩商店が運営するカキ小屋で、今後の展開を話し合う中塩前社長(右から3人目)や鈴木ウエストハママツHD社長(右)ら=浜松市中央区舞阪町
マルマ中塩商店が運営するカキ小屋で、今後の展開を話し合う中塩前社長(右から3人目)や鈴木ウエストハママツHD社長(右)ら=浜松市中央区舞阪町

 中塩さんが会社の名称と雇用の維持などを条件に後継を探し、静岡銀行の仲介で1月下旬に引き継ぎが実現した。同商店はカキの卸売りや通販向けに浜名湖産ウナギの加工を手がけ、2015年にはカキ小屋「舞阪マルマ幸福丸」をオープンして飲食業にも挑戦。休日は県外から多くの観光客らが列をつくる人気店だ。
 同HDにとって、M&A(企業の合併・買収)は20年の空調清掃「浜松空調工業」に続く2社目。同商店のケースでは、新聞販売店の従業員4人が夕刊配達や折り込み作業後の時間を活用して、通販用資材に関する作業に従事。人材面で連携する。事務員2人もカキ小屋で日祝日にアルバイト勤務する。
 同HDは人口減少社会に向けて生き残りをかけ、事業の多角化を進めている最中という。飲食業の事業ではカキやシラスを使ったイタリア料理の提供も新たに計画している。鈴木順之介社長(49)は「事業をさらに飛躍させ、地域の産業を守っていきたい」と力を込める。

いい茶0

浜松市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞