ハイキングで芸術堪能 島田・抜里地区、作家が6作品 住民コース整備
島田市抜里地区の隠れた名所「寺山(てらやま)」を舞台に、芸術作品と触れ合いながら山頂を目指すハイキングコースが完成した。地域住民が整備したコースに芸術家らが6作品を設置。山頂には抜里の集落が一望できる展望台のような大型作品が登場し、ハイカーの人気を集めている。
19日まで開催中の芸術祭「UNMANNED 無人駅の芸術祭/大井川」を主催するNPO法人クロスメディアしまだと、抜里の地域団体「抜里エコポリス」が主体となり地区に眠る観光資源を発掘しようと取り組んだ。地域住民は木々の伐採や道路整備を行い、寺山にハイキングコースを作った。
両団体のメンバーは芸術祭を機に交流が深まった作家の西田秀己さん=東京都=とタッグを組み、コース折り返し地点の山頂に展望台のような作品「音の要塞(ようさい)」を設置した。西田さんが助教を務める女子美術大の学生も参加し、音に関する体験型の作品などをコース途中に展示した。
西田さんと同様に交流があったという作家のさとうりささん=神奈川県=にも協力を仰ぎ、180分の1スケールで寺山の等高線を立体的にした椅子のオブジェも山頂の近くに置いた。いずれの作品も常設予定で、抜里エコポリスの小玉充造さん(72)は「作品と一緒にハイキングを楽しんでほしい」と期待を込めた。