テーマ : 焼津市

一口サイズのさつま揚げ“復刻”10年 手作業でブランド再構築 焼津・丸又

 焼津市東小川の練り製品製造「丸又」が1970年に開発した一口サイズのさつま揚げ「モーレツ野菜の天ぷら」の発売当時の製法をほぼ再現した復刻版が市場投入されてから10年がたった。地元で愛された「モーレツ」ブランドを再構築しようと、これまでの機械製造から手作りに切り替え、発売当初の食感を引き出した。パッケージに描かれたキャラクターやネーミングのインパクトも相まって、根強い人気を誇る。

丸又の「モーレツ野菜の天ぷら」
丸又の「モーレツ野菜の天ぷら」

50代中心に人気根強く  同商品は魚肉すり身にタマネギとキャベツを加えたことで、シャキシャキした食感が味わえる。前代表の鈴木通元さんが、浜名湖周辺の農場にあった大量のタマネギの活用法を考えた結果、当時としては画期的だった野菜を使った練り製品の開発に成功した。発売当初は手作業で生産していたが、数年後に量産化のため機械化に踏み切った。同業他社の参入で、徐々に売れ行きも鈍ってきた。
 2006年に代表に就任した鈴木理恵子さんがブランドの立て直しに着手。機械化に伴い若干変わってしまった食感を戻すために、発売当初の製造法に近づけるよう模索し、アイスクリームディッシャーですり身をすくうことで同一型を作るスタイルに行き着いた。さらに、本来のうまみを引き出すために、保存料や化学調味料を一切使わない方針とした。
 鈴木代表は「50代を中心に懐かしいと手に取ってくれる人が多い。丸又にとって思い入れの深い商品」と語る。
 (焼津支局・福田雄一)

いい茶0

焼津市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞