「川施餓鬼」先祖を供養 大たいまつに火 静岡市葵区・藁科川
静岡市葵区坂ノ上で14日夜、同地区に古くから伝わる仏事「川施餓鬼(かわせがき)」が営まれた。藁科川の河原に建てられた大たいまつに火をともし、川で亡くなった人や先祖の霊を供養した。
「坂ノ上のタイマツ」とも呼ばれる盆行事。竹を幾重にも束ねて作られたたいまつは直径約60センチ、長さは13メートルほどになる。近くには施餓鬼棚も設けられ、ナスやキュウリで作られた精霊馬(しょうりょううま)や果物などの供物が置かれた。
夕暮れを迎えると、僧侶の読経を合図に地元住民によって大たいまつの先端に火がともされた。燃えさかる炎が川面や周辺を幻想的に照らし出すと、竹が破裂する「パチン」という音が大きく周囲に響き渡った。
川施餓鬼は13日に予定されていたが、台風の大雨で水位が上がったため延期していた。
(写真部・坂本豊)