静岡県内各地で入社式 新入社員との対話重視〝距離〟近く
静岡県内各地で1日、入社式が開かれた。新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、多くの企業が昨年に続きマスクなしの対面へと形式の切り替えを加速。コロナ禍に学生生活を過ごした若者との対話を重視し、新入社員と役員の距離を縮めようと工夫を凝らす企業も見られた。
浜松市中央区で開かれたヤマハの入社式では、同日付で就任した山浦敦社長が司会者の質問に答えるトークセッションを披露。製造ラインで働いた入社当時の経験が後の楽器設計に生かされたとし、グループ8社の新入社員152人に「会社は自分に成長のチャンスを与えてくれた。立場が変わり、みなさんにもそうした機会を与える」と語りかけた。新入社員の石田野々花さん(22)=同区出身=は「自身も挑戦を重ね、社会人として成長したい」と話した。
新入社員137人が出席したTOKAIグループの式では、コロナ禍で中断していた会食形式の懇談を5年ぶりに実施。役員らが新入社員と一緒にテーブルを囲み、名前や配属などを確認しながら会話を重ねた。古坂楓河さん(22)=東京出身=は「リモートより対面の方が互いに分かり合え、社会人生活もイメージしやすい」と語った。
TOKAIホールディングスの小栗勝男社長は「学生時代に対面で意思疎通する機会が少なかった世代と懇親の場を持てて良かった。人と会う楽しさを感じてほしい」と期待した。
静岡ガスは新入社員と役員が大型スクリーンを用いて自己紹介し、趣味や座右の銘などを披露し合った。ヤマハ発動機は5年ぶりに対面形式の入社式を磐田市の本社で開き、約300人の新入社員が一堂に会した。スズキは浜松市で入社式を開き、鈴木俊宏社長がグループの新入社員約1380人に「チームスズキ」での団結を呼びかけた。