ジャガ芋のガレット 外はカリッ 中はねっとり(山田高久/ワイン食堂「シャンティ」店主、静岡市)【ワインと楽しむこの一皿】
一年中出回り、いつでも食べられるジャガ芋。今は新ジャガもおいしい時季だ。ゆでたり、蒸したりする簡単な調理もいいが、少し手をかけるといつもと違った味わいが楽しめる。今日のレシピの材料はジャガ芋と塩だけ。特別な技術もいらない。
フランス料理の「ガレット」は、丸く焼いた料理や菓子を指す。日本では、そば粉を使った生地を薄く焼き、中に具材を入れて巻いた「ブルターニュ風のガレット」のイメージが強いが、実際にはガレットと名の付く料理はさまざま。ジャガ芋のガレットも古くからある食べ方だ。
使用するのは普通のジャガ芋でも新ジャガでも。種類も何でもよい。レシピのようにメークインを使うと中はねっとり、男爵ならほくほくした感じになる。外側のカリッとした食感とともに、好みの口当たりに仕上げて。
切ったジャガ芋を水にさらさず、でんぷんをそのまま生かせば小麦粉などのつなぎがなくても一つにまとまる。千切りを衣のように使い、魚などにまとわせて焼いてもワインが進む一皿になる。
もう一品は、鶏レバーを季節の菜の花と炒め、オイスターソースと粒マスタードで味付けした。菜の花をニラに替え、粒マスタードを除けばレバニラになる。わが家の定番レシピで、シンプルで飽きない味なのでそちらもぜひお試しを。
(山田高久・ワイン食堂「シャンティ」店主、静岡市)
ジャガ芋のガレット
<材料=2人分>
中くらいのジャガ芋(メークイン)4、5個(400グラム程度)、サワークリーム適宜
<作り方>
①ジャガ芋を細かい千切りにする。スライサーを使うとやりやすい
②❶に4グラムの塩を加えてしっかりもむ。水分が出てくるのでよく絞って捨てる
③小さなフライパンにサラダ油をやや多めにひき、中火でジャガ芋を炒める
④ジャガ芋が半透明になったらへらなどを使って平らな円形にまとめる。弱火にし、片面5分ずつ焼く。時々フライパンを揺すって動かし、焦げ付かないように注意する。外側がきつね色になり、カリッとしたら完成。器に盛りサワークリームを添える
おすすめはロゼ
フランス・ラングドック地方のロゼを。小規模ワイナリー「クロ・バガテル」の自然派ワインは、爽やかな酸味がサワークリームや苦みのある菜の花と合う。明るい色味で気分も晴れやか。
差が出るポイント
外側をカリッと香ばしく焼くために、余分な水分をよく取り去るのが大事。千切りにしたジャガ芋に重量の1%を目安に塩を加え、しっかりもむ。しばらく置いて出てきた水分を手でよく絞る。
もう一皿 鶏レバーと菜の花の粒マスタード炒め
<材料=2人分>
鶏レバー200グラム、菜の花½束(70グラム程度)、小麦粉少々、粒マスタード小さじ1、オイスターソース大さじ1
<作り方>
①鶏レバーの筋や血管を手で引っ張って外す。軽く水にさらし、水を切って塩少々で下味を付ける
②菜の花を洗い、半分の長さに切る
③フライパンにサラダ油をひき、❶に軽く小麦粉を付け、強火で焼く
④❸に菜の花を入れ、レバーに完全に火が通り、菜の花がしんなりするまで炒める
⑤粒マスタードとオイスターソースを入れて全体を混ぜ、完成