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静岡・日向の無許可盛り土 処分案用意も「ブラフ」 県が内部検証

 砂防法関連の法令違反で残土処分会社が摘発された静岡市葵区日向、杉尾地区の巨大な無許可盛り土を巡り、静岡県は27日、これまでの行政対応を内部検証した結果を発表した。日向の盛り土に関し、県は2005年に行政処分案を用意していたが、「業者へのブラフが目的だった」として具体的に処分を検討しなかったと説明した。担当した職員のヒアリング内容に基づき判断したという。
 保管されていた行政文書によると、行政処分案は05年11月の打ち合わせ記録に添付され「(盛り土の)行為を中止し、原状回復の措置を講じること」と明記されていた。その前後に、今後の対応方針に関する打ち合わせの記録もあった。
 内部検証は退職者を含む過去の関係職員102人にヒアリングし、第三者や専門家の意見は聴取していない。検証を担当した県交通基盤部の青木克裕総務課長は当時の職員へのヒアリングを重視したと説明し、「処分をどのタイミングで出せば良かったのかは検証しなかった」と述べた。
 日向の盛り土を巡って県は05年に処分を出さず、県警が摘発した後の昨年4月にようやく、杉尾の盛り土とともに原状回復命令を出した。内部検証では、06年度以降の職員の引き継ぎや警察との連携が不十分とし「事務執行として不適切だった」と総括した。杉尾の盛り土対応は「不適切とは言えない」と評価したが、造成の初期段階は検証の対象に含めなかった。
 是正されずに巨大化した盛り土を撤去する行政代執行の費用は、杉尾の盛り土だけで12億円に上る。日向の盛り土の撤去費用は未定という。
 (社会部・大橋弘典)

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