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テーマ : 静岡市

診療所の医業承継 強化 金融機関と医師会協定 マッチング支援拡大へ

 静岡県医師会と県医師信用組合、静岡銀行は21日、勤務医の高齢化が進む県内診療所の医業承継に向けた包括連携協定を締結した。診療所の運営や後継者不足などで相談を受ける医師会、金融機関が情報を共有し、地域事情や多様な経営環境が絡む医療現場のマッチング支援を強化。診療所閉鎖に伴う医療空白地域の発生を食い止め、地域社会の持続性を確保する。

医業承継に向けた連携協定を締結した関係者=21日午後、静岡市
医業承継に向けた連携協定を締結した関係者=21日午後、静岡市

 厚生労働省の統計によると、2020年の県内診療所に勤務する医師の高齢化率は37・8%。12年の28・4%から約10ポイント上昇し、診療所の廃止も18年の85件から20年の224件に増加。近年は開設、廃止ともに年間200件前後で推移し、診療所の数は横ばいとなっている。
 同組合や同行によると、社員が議決権を持つ医療法人特有の意思決定プロセス、診療科に適した医師の技術水準や専門性、不動産と医療設備の受け渡しなど、複雑な事情が絡む医業の継承は一般的な事業承継にない難しさがあるという。高齢化で廃業を検討する診療所が増える一方、開業を希望する医師の相談も多く、医師バンクを運営する医師会と金融機関の連携によりマッチング支援の拡大を見込む。今後、情報交換や研修、セミナーの開催、相談窓口の周知や発信などで協力する。
 同日、県医師会の紀平幸一会長、同組合の篠原彰理事長、静岡銀の八木稔頭取が協定書に調印した。紀平会長は「3者それぞれの強みを生かし、積極的な支援で県民の暮らしを守っていく」と決意を語った。
 (経済部・金野真仁)

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