静岡県選抜、静岡市選抜V 男女混合400リレー 全国障害者スポーツ大会
全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」は30日、鹿児島県内で最終日の競技を行い、閉幕した。本県選手は3日間で7競技に出場し、金35個を含む計72個のメダルを獲得した。
最終日の陸上は、男女混合400メートルリレーで県選抜と静岡市選抜が優勝した。立ち幅跳びでは、井戸杏香(伊東市)が大会タイ記録で栄冠を手にした。走り幅跳びで五十嵐稔季(伊豆の国市)、ソフトボール投げで秋山愛子(静岡市)、1500メートルで松永大護(同)も頂点に立った。水泳は池田伊吹(藤枝市)が50メートルバタフライで連覇を果たした。
静岡県選抜、バトンパス一番の出来
陸上の男女混合400メートルリレーで県選抜は、前回優勝時と同じメンバーで臨み2連覇を達成した。「バトンパスがスムーズにできた。今までで一番の出来」と4選手はお互いをたたえ合った。
1走の鎌田夏鈴(19)=函南町=が得意のスタートダッシュを決め、2位で中村颯斗(28)=富士市=にバトンをつなぐと、先頭を一気に抜き去りトップに躍り出た。3走増田嶺(24)=吉田町=がさらにリードを広げ、アンカーの竹原友洵(17)=磐田市=が鮮やかにフィニッシュした。中村は「岩手県選抜のアンカーが速いので、それまでに差をつける作戦で臨んだ。逃げ切れてよかった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
3連覇がかかる来年に向け増田は「県記録を更新する47秒台を目指す。連覇は意識し過ぎず、少しでもタイムを縮められるよう練習したい」と意気込んだ。
走り幅制し五十嵐2冠
肢体不自由者男子1部の走り幅跳びで五十嵐稔季(18)=伊豆の国市=は初出場ながら堂々とした跳躍を披露し、頂点に立った。前日の100メートルに続き2冠を達成した。
助走の推進力を逃さないように、歩幅を合わせて踏み切ることを意識して臨んだ。目指していた大会記録にはあと4センチ届かなかったが、「慣れない環境で緊張もあった。今の自分にできるベストパフォーマンスだったと思う」と達成感を口にした。
田方農高(函南町)の園芸デザイン科に通う五十嵐。右半身まひのため、周囲に比べ運動能力が低く劣等感を感じることもあったという。今大会への出場が決まり「自分にしかできないことがある」と奮い立ち前を向いた。「自分が頑張ることで、同じように悩む人を勇気づける存在になりたい」と力強く語った。
(白鳥壱暉)
陸上(白波スタジアム)
【肢体不自由者男子1部】
▽1500メートル(区分13~15=車いす使用)
「1組」①松永大護(静岡市)3分51秒02
▽1500メートル(区分22)
「1組」④手綱哲6分16秒04
▽立ち幅跳び(区分22)
「1組」④手綱哲1メートル82
▽走り幅跳び(区分22)
「1組」①五十嵐稔季4メートル62【知的障害者青年男子】
▽400メートル(区分27)
「2組」②増田嶺53秒61
【知的障害者少年男子】
▽400メートル(区分27)
「1組」②松島生(静岡市)53秒12
「3組」②竹原友洵56秒10
【肢体不自由者女子1部】
▽立ち幅跳び(区分22)
「1組」①井戸杏香1メートル62=大会タイ
▽ソフトボール投げ(区分19)
「1組」①秋山愛子(静岡市)11メートル08
【肢体不自由者女子2部】
▽ビーンバッグ投げ(区分23)
「1組」②嵐田幸子(浜松市)5メートル41
【知的障害者少年女子】
▽400メートル(区分27)
「2組」②増田吏峯1分13秒38
【知的障害者男女共通】
▽400メートルリレー(区分27)
「4組」①静岡(鎌田、中村、増田、竹原)48秒04
「5組」①静岡(静岡市=榊、斉藤、松島、安藤)49秒36
「8組」⑥静岡(浜松市=池谷、猿渡、村松、古橋)56秒04