テーマ : 富士宮市

【知事選】投票所入場券、期日前初日に間に合わない!? 超短期決戦で選管大わらわ

 5月9日告示、26日投開票と決まった知事選。川勝平太知事の職業差別と受け取れる発言から急転直下の辞任劇で決まった“超短期決戦”の余波で、多くの市町では投票所入場券が期日前投票初日の10日までに届かない恐れが生じている。告示まで残り1カ月弱。各市町の選挙管理委員会は「これほど準備期間が短い選挙はほとんど前例がない」と戸惑う。投票所やポスター掲示場の確保なども含め、1日でも早く態勢を整えるべく腐心する。選挙の準備に追われる富士宮市選挙管理委員会事務局の職員ら=11日午前、富士宮市役所4、5月の県内選挙日程
 「何とか早めにお願いします」。県選管が知事選の日程を正式決定した11日午前、富士宮市選管では入場券作製を業者に依頼する職員の電話の声に熱が帯びていた。同日時点の見通しでは、市内の有権者に入場券が届くのは早くても5月13日。入場券はミシン目やのり付けなどの特注加工が必要で、同市では通常、発注から郵送完了まで21営業日を要する。特定の業者に各市町から発注が集中した場合、同16日ごろまでずれ込む恐れもあるという。
 投票所では入場券がなくても、身分証を提示するか宣誓書に記入すれば投票できる。だが確認には時間を要し、混雑が増すと予想されるため、市選管は「有権者に実情を理解してもらえるだろうか」と不安を募らせる。
 約57万6千人の有権者に入場券を送る静岡市も「10日までに全員に届けるのは難しい」との見方だ。入場券に印字する有権者情報をコンピューター処理で抽出する作業や、郵便局による発送も時間がかかるため「大型連休を挟む影響は大きい」という。一方、約1300カ所に上るポスター掲示場の設置は「9日までに必ず完了させなければ」と気を引き締める。開票所になるツインメッセ静岡と清水総合運動場体育館は、何とか調整し確保できた。
 突然の選挙は衆院解散などで実施される場合もあるが、市町選管は報道などで前兆をつかんで備えてきた。富士宮市選管の鈴木昌一次長は今回の知事選が全く予想外だったとした上で「告示に間に合わない言い訳にはできない。投票行動に支障が出ないよう、調整に全力を尽くす」と話した。
 (富士宮支局・国本啓志郎、社会部・瀬畠義孝) 市長選や補選 同時並行の市も  県内では14日と21日にそれぞれ市長選などの投開票を行う御前崎、伊豆両市が知事選の準備を同時並行で進めている。このほか静岡市清水区は5月17日告示の県議補選(欠員1)と知事選のダブル選、藤枝市では同19日告示の市長選、市議補選(同1)とのトリプル選の可能性もあり、職員は急きょ実施が決まった知事選への対応に追われている。
 藤枝市選管によると、市議補選に白色の投票用紙を使用予定だったが、知事選の用紙が白色と決まったため、取り違え防止のため急きょクリーム色に変更した。開票作業も知事選を優先するタイムスケジュールに組み直した。

いい茶0

富士宮市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞