テーマ : 編集部セレクト

富士登山観光拠点、代替も便利に 焼失の5合目旧レストハウス

 静岡県と富士宮市は2021年に発生した火災の影響で解体された富士宮口5合目の来訪者施設「レストハウス」の代替施設について、ことしの夏山シーズンに合わせて機能を強化した。新型コロナウイルス感染症対策も兼ねて休憩所のスペースを拡充したほか、水分補給用の自動販売機を新設した。本県側を代表する登山、観光拠点として、国内外の来訪者を受け入れている。

休憩機能を拡充し、登山者を受け入れている旧レストハウスの代替施設=1日午前、富士山富士宮口5合目(写真部・小糸恵介)
休憩機能を拡充し、登山者を受け入れている旧レストハウスの代替施設=1日午前、富士山富士宮口5合目(写真部・小糸恵介)


 代替施設の開設は昨夏に続き2度目。富士宮市が設置し、県が設置費用の3分の2を負担した。今夏は休憩スペースや土産物販売に使用するプレハブ小屋を、昨夏と比べて1基増の6基体制にした。要望の多かった自販機を2台設置し、熱中症や高山病の対策につなげる。トイレは昨夏と同じで仮設10基、バイオ式1基。
 富士宮口5合目は標高2400メートルと静岡、山梨両県にある四つの5合目登山口の中で最も高い場所に位置し、日本一の頂まで最短の登山ルートの出発点となる。毎夏6万~7万人の登山者が利用していたため、コロナによる登山者数の減少を考慮しても代替施設では限界があり、地元関係者は「静岡側の富士山の玄関口としてふさわしい施設の整備を」と願っている。
 県は富士宮口5合目の新しい来訪者施設を従来のレストハウスの近くに新設する方針を固め、22年度から設計業務や許認可の手続きに入った。噴火、落石に耐えるシェルター機能を重視し、世界遺産の情報発信や休憩・観光などの拠点機能も持たせる。総事業費は概算で約36億円。28年夏の供用開始を目指している。

いい茶0

編集部セレクトの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞