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テーマ : 選挙しずおか

藤枝市長選 19日告示 4期連続無投票の公算 一部で多選問題視も

 19日に告示が迫った藤枝市長選は、現時点で5選を目指す現職の北村正平氏(77)のみが出馬表明している。他に立候補の動きは見られず、4期連続無投票の公算が大きい。無投票で当選となれば、北村氏が初当選した2008年から5期目の任期が終わる28年まで、現市政に対して信を問う機会がないことになる。市民からは「市政運営が安定している」と評価する声が上がる一方で、「民意が反映されない」と無投票を問題視する意見も多い。

藤枝市長選の告示に向けて意気込む現職北村正平氏の支援者ら=4月下旬、市内
藤枝市長選の告示に向けて意気込む現職北村正平氏の支援者ら=4月下旬、市内

 「幾多の実績を積み上げ、市民の圧倒的な支持を受けている」。市長選告示まで1カ月に迫った4月21日、北村氏陣営が市内で開いた集会で、後援会幹部は北村氏の4期16年の功績を強調した。
 北村氏は08年5月に就任後、財政基盤の強化を進め、24年度当初の臨時財政対策債を除く全会計市債残高は08年度から397億円減る見通しとなった。市立総合病院の経営健全化に努め、新ごみ処理施設「クリーンセンター」の着工も果たした。
 昨年11月、北村氏が出馬表明する前に、日本商工連盟藤枝地区連盟と県商工政治連盟岡部支部、JA大井川藤枝地区農政対策協議会が出馬を要請。市議会内では北村氏が初当選した選挙で超党派の市議らが支援した流れが今も続く。今回の市長選は既に自民、公明、立憲民主、国民民主党の各県連が北村氏を推薦している。
 保守系市議は「盤石になりすぎている。ただ、対抗馬を立てられないのも事実」と話す。野党市議は「まちの発展を考えると後継者を育成しておくべきだった」と自省する。支援者の一部からは多選を問題視する声も上がる。
 地元の若手経営者からは厳しい声が聞かれる。卸売業を営む50代男性は「長期政権の弊害で新しい考えやサービスが生まれづらくなり、市政が硬直化していると感じる。無投票だと必要な議論が行われなくなる。4期連続の無投票の公算は恥ずべきことだと市民が認識しないといけない」と指摘。サービス業経営の40代男性も「本気でまちを変えたいと思う若者を増やさなければ。世代交代の準備をしていくことが大事」と危機感を示す。
 (藤枝支局・青木功太)

 <メモ>静岡県内市長選の連続無投票は、直近では、下田市が2004年、08年、12年の3回連続。人口10万人程度の市の場合(藤枝市は約14万人)、旧浜北市で00年、04年の2回連続がある。

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