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テーマ : 静岡市

「優先調達」最高額へ 全庁的推進を加速 障害者施設に物品や業務委託 静岡市 23年度見通し

 物品の購入や業務委託を障害者就労施設に発注する「優先調達」について、静岡市の2023年度の実績額が3640万円を超え、過去最高を更新する見通しとなったことが、21日までの市への取材で分かった。市が年度ごとに設定している目標額も6年ぶりに達成した。30年度に6400万円達成を長期的な目標に掲げ、24年度から全庁を挙げた取り組みを加速させる。

静岡市の優先調達実績額の推移
静岡市の優先調達実績額の推移


 同市のこれまでの最高額は17年度の3396万円。新型コロナウイルス禍の影響で20年度に1671万円まで落ち込み、回復が遅れていた。23年度は、職員の当事者意識を高めるため、市障害者福祉企画課が設定していた各部署の目標額を部署ごとに定める方式に変更。受注内容を複数の施設にあっせんする「共同受注窓口」の利用を始めたことも押し上げにつながった。
 「30年度に6400万円」の達成に向け、市は24年度の目標額を4千万円に設定し、目標額を毎年400万円ずつ増やしていく方針。24年度は同課が各局の予算規模に応じて目標額を設定し、各課で内訳を決めるようにするほか、共同受注窓口の利用を同課が個別にサポートし、大口の契約の獲得にも力を入れる。未達成の部署には「レッドカード」が通達され、難波喬司市長からの厳重注意を受けるという。
 同課の福井秀明課長は「各部局の目標達成管理をさらに強化し、実績額を伸ばしていきたい」と話した。
 (政治部・池谷遥子)

 「割高」誤認解き上乗せを 20政令市中18番目
 2023年度の優先調達実績額が、3640万円を超え過去最高を更新する見込みとなった静岡市。ただ、22年度の政令市の実績と比較すると20市中18番目に当たり、トップの神戸市(約6億3000万円)や2位の名古屋市(約5億1000万円)に大きく水をあけられている。浜松市は約7000万円だった。
 神戸市や名古屋市は人口が静岡市に比べて多く、億単位の発注額となり得るごみの分別・収集を障害者就労施設に委託している。静岡市はごみの分別業務の委託規模が少なく、収集業務の一部は市環境公社に委託しているため優先調達することは困難だという。
 一方、政令市20市の実績額からごみ分別・収集業務分を差し引いた人口千人当たりの実績額を見ても、静岡市は16番目と低迷している。市障害者福祉企画課は「庁内には優先調達は割高だという誤認がある。各部局に助言しながら、ごみ関連以外の業務で上乗せを目指す」としている。

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