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静岡人インタビュー「この人」 新生児の拡大検査導入に尽力した静岡希少疾患ネットワーク代表 渡辺健一郎さん(静岡市葵区)

 新生児に病気がないかチェックする際、公費負担の検査で対象外になっている7疾患を調べる「拡大検査」の県内導入に尽力した。県立こども病院の副院長。昨年11月に浜松医科大や聖隷浜松病院と「静岡希少疾患ネットワーク」を設立し、拡大検査の普及や早期治療の体制整備を進めている。59歳。

渡邉健一郎さん
渡邉健一郎さん

 ―設立の経緯は。
 「3機関でチームとなり、検査で陽性になった新生児を県内全域でカバーしようと発足した。拡大検査を周知するほか、分娩(ぶんべん)ができる産婦人科などの医療機関に働きかけもしている」
 ―拡大検査の意義は。
 「7疾患はいずれも効果的な治療法があり、治療の開始時期が救命や病状改善に直結する。そのうちの一つ、重症複合免疫不全症では診断が遅れると重症の感染症で死亡したり、生ワクチンの接種で重い副作用が起きたりする。発症前に診断できると治療成績は良く、新生児の段階で検査する意義は大きい」
 ―施設や利用者の反響は。
 「拡大検査は県内の約40施設でできるようになり、今後ネットワークのホームページで紹介していく。公費検査を受けた子の9割近くが自己負担で拡大検査も受けていて、ニーズの高さも分かってきた。全ての分娩施設で実施できるようにしたい」
 ―検査の流れは。
 「公費検査で採った血液などを拡大検査でも検体に使うため、再び採血する必要はない。希少疾患でも県内では1年間に6人の新生児が該当する計算だ。疾患があっても新生児に異常がないように見えることが多い。分かる時期が早いか否かで病状が改善されやすくなるからこそ、全ての子が検査の機会を受けられる環境を整えたい」
 (社会部・大須賀伸江)

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