根附（島田市出身）初Ｖ パリへ前進 出場ランク 日本勢２番手に スケートボード・ストリート五輪予選
スケートボード・ストリートのパリ五輪予選第６戦最終日は１０日、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイで決勝が行われ、男子は昨年１２月の世界選手権で銀メダルの２０歳、根附海龍（ＤＣ Ｓｈｏｅｓ、島田市出身）が２６３・７４点で五輪予選初優勝を果たした。
世界王者の白井空良（ムラサキスポーツ）が３位で、１４歳の小野寺吟雲は４位、青木勇貴斗（ボードライダーズジャパン、静岡市清水区）は８位。
女子は１５歳の赤間凜音が２７０・８４点で昨年６月の第３戦以来となる２勝目。吉沢恋（ＡＣＴ ＳＢ ＳＴＯＲＥ）が五輪予選で初表彰台の３位に入り、１２歳の松本雪聖が４位、伊藤美優（ＪＯＣＫＳ）が５位、藤沢虹々可が６位で続いた。４５秒間に技を連発する「ラン」２回の最高点と、５回の一発技「ベストトリック」で得点の高い２回の合計で争った。
計８戦の五輪予選は今大会で前半戦が終了。男女各２０人（各国・地域最大３）の出場権を争うランキングで、男子は首位の白井、５位根附、６位小野寺、７位堀米雄斗（ＭＩＸＩ）、１０位佐々木音憧、１５位青木、女子はトップの西矢椛、３位織田夢海（ともにサンリオ）、５位赤間、６位中山楓奈（ムラサキスポーツ）、７位吉沢、９位伊藤までが後半戦進出の上位４４人（同６）に入った。第７戦は５月に上海で開催される。
大技、果敢に挑み接戦制す 初制覇が決まった根附はトレードマークの金髪を揺らし、跳びはねて喜びを爆発させた。２位リベイロ（ポルトガル）にわずか０・０４点差の大接戦を制し「世界大会で初優勝なので、本当にうれしい」。日の丸を体に巻き付け、表彰台の真ん中に立った。
ランの１回目からミスなく滑って８５・２１点をマークし、リベイロに次ぐ２位で迎えたベストトリック。２度失敗が続いても、冷静さは失わなかった。難度は下がるものの、自信のあるトリック（技）に変更して３回目に成功。「勢いがついた」と４回目は果敢に挑み、難度が高い「ノーリー」から板を回転させてレール（手すり）に跳び乗る大技で９３・１７点をたたき出した。
五輪予選の序盤戦は３試合連続で準々決勝止まり。得意な技に偏っていたランの構成を思い切って見直したことが奏功し、その後は４位、２位、今回の優勝と絶好調だ。
日本代表の早川大輔コーチは「かなりしつこく練習できる。スケートボードとの向き合い方が結果に出た」と高く評価する。「もっと技を増やして点数を上げられるように」と貪欲な２０歳。五輪ランキングを日本勢２番に浮上させ、目標のパリにまた一歩近づいた。（共同）
ねつけ・かいり 小学１年でスケートボードを始める。２１年に米国の国際大会タンパ・プロで７位。昨年は５月のＸゲーム千葉大会５位、東京開催だった１２月の世界選手権で銀メダル。常葉大橘高出、２０歳。
「自信につながる」根附、笑顔の帰国 スケートボード・ストリートのパリ五輪予選第６戦で同予選を初制覇した男子の根附海龍が１１日、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）から成田空港に帰国し「優勝できてうれしい。すごく自信につながった」と笑顔で語った。
五輪切符はランキング上位２０人（各国・地域最大３）に与えられ、根附は日本勢２番手に浮上。５月に上海で開催される第７戦へ「厳しい戦いになる。自分のやりたいことをやれればいい」と気負いなく話した。
女子で予選２勝目を挙げ、日本勢３番手を守った赤間凜音は「気を緩めず頑張りたい」と気合を入れ直した。
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