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大自在(11月5日)原子力事業者の責任

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)では昨年、東電の失態が相次いで発覚した。他人のIDカードを使った中央制御室への不正入室が明らかになると、テロ対策のために設置された侵入監視装置が長期間機能を失っていたことも判明。事態を重く見た原子力規制委員会は事実上の運転停止命令を出した。
 「お疲れさまです」「ご安全に」。原発敷地内では、東電職員が協力企業のスタッフに積極的に声を掛ける「あいさつ運動」を新たに始めた。
 所長らは毎朝、原発の正門に立ち、入場時の認証を待つ協力企業の車列に向かってあいさつを続けているという。最初は素通りされていたが、最近では窓を開けてあいさつを返してくれるようになったそうだ。
 協力企業を含めた意思疎通の欠如が、一連の不適切な事案の背景にあったとの反省に基づく。正直、いまさら何と初歩的な取り組みかとあきれる思いも抱くが、当事者は真剣そのものだ。
 信頼獲得に向けた道のりは、果てしなく遠い。「地域の理解なくして、(原発の)再稼働はない。一つ一つ行動と実績を積み重ねるしかない」。割田貴文広報部長が重い決意を口にした。
 中部電力でも昨年、グループ社員が、本人確認の手続きを経ずに浜岡原発(御前崎市佐倉)の構内に入ったことが明らかになった。浜岡原発は3、4号機の新規制基準適合性確認審査が続くが、再稼働うんぬん以前に、地元の信頼を損なう対応が許されていいはずがない。東電の失態を他山の石とし、原子力を扱う事業者としての責任を常に自覚していてもらいたい。

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