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テーマ : 静岡市

核心核論(3月23日)岡崎慎司選手 球蹴らぬプレー光った

 清水エスパルスなどで活躍したサッカーの岡崎慎司選手が今季限りでの現役引退を表明した。日本代表通算50得点は、釜本邦茂さんと三浦知良選手(静岡市出身)に次ぐ歴代3位。2015~16年には世界最高峰のイングランド・プレミアリーグでほぼ全試合に出場し、昇格したばかりだったレスターが遂げた「奇跡の優勝」に貢献した。
 ボールに絡まない「オフ・ザ・ボール」の動きも大事-。これはサッカー通の常識だが、岡崎選手は抜群に優れていた。ゴールにつながるパスを引き出すための動き出しや、相手を引きつけて味方のプレー空間を広げる「おとり」の走り。さらには体を張って相手の動きを止める「つぶれ役」が類いまれだった。
 真骨頂が、2018年ワールドカップ(W杯)のセネガル戦。1-2から本田圭佑選手のゴールで追いつくが、岡崎選手のつぶれ役が隠れたファインプレーとなった。
 右クロスに合わせてGKと空中戦で競り合い、ともにピッチ上に倒れる。左サイドへと流れたこぼれ球を味方選手が折り返す瞬間、起き上がるGKを左腕で巧みに押さえると、2人の前をすり抜けた球が本田選手の足元へと転がったのだ。
 すかさず両手を上げてうつぶせに倒れ、反則を取られないよう念押し。これぞつぶれ役。シュートチャンスを狙いつつ、本能的にチームの得点につながるプレーが出た。
 日本代表の練習や試合後の取材で、誰よりも理路整然と話すのが岡崎選手だった。ボールを蹴らない好プレーは、優れたサッカー脳があってこそ。
 引退後は欧州で指導者の道を歩みたいと話したことがある。本場で活躍する日本人監督のパイオニアになる素地は十分だ。期待したい。

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