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テーマ : 静岡市

「解決ではなく、話を聞いてほしい」ヤングケアラー当事者 静岡で経験語る

 静岡県と静岡市はこのほど、大人に代わって日常的に家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」当事者による体験報告会を市役所静岡庁舎で開いた。小学2年時から約10年にわたり、きょうだいとともに病気の母の看病をしていた元ヤングケアラーの平井香歩さん(18)=同市駿河区=が、自身の経験や日常生活で感じたことなどを語った。

元ヤングケアラーとしての自身の経験を語る平井さん=静岡市役所静岡庁舎
元ヤングケアラーとしての自身の経験を語る平井さん=静岡市役所静岡庁舎

 平井さんは、小学1年時に母が乳がんに罹患(りかん)していることが判明した。小学2年時に父と祖父が病気で立て続けに亡くなり、年の離れた姉、兄とともに洗濯や料理のほか、投薬の副作用で不安定になりがちな母の心身のサポートを続けたという。
 平井さんは、家庭環境や拘束時間、世話の対象などの状況は人によって違うとし、「ヤングケアラーだから勉強時間がない、友人関係に悩んでいるなどと断定しないでほしい」と強調。「解決に重きを置いてほしいのではなく、ただ話を聞いてもらいたい」と、気軽に相談できる環境づくりの必要性を訴えた。自身の経験から「誰がいつ当事者になってもおかしくない」とし、児童生徒がヤングケアラーへの理解を深める機会を設けるよう行政や学校に求めた。
 報告会には県と市のほか、県内9市町の教育、福祉部局の職員らがオンラインで参加した。

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