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テーマ : 静岡市

3・11題材絵本、8年ぶり増刷 静岡県ボラ協「命守る防災教育に」 大槌の園児成長描く

 東日本大震災で園児9人が亡くなった岩手県大槌町の大槌保育園(現おおつちこども園)で年長児が心の傷を乗り越えて成長する実話を描いた絵本「あの日-おおつち保育園3・11」が、約8年ぶりに増刷された。絵本の制作や販売に協力する県ボランティア協会の鳥羽茂事務局長(66)は「命を守る防災教育に役立ててもらえれば」と話す。

2000部が増刷された絵本「あの日―おおつち保育園3・11」=静岡市葵区
2000部が増刷された絵本「あの日―おおつち保育園3・11」=静岡市葵区


 絵本では津波から避難して助かった年長児が、命を落とした園児と会えなくなった悲しみを克服する過程が描かれている。静岡市駿河区の日本画家森谷明子さんが同町を訪ね、八木沢弓美子園長に聞いた話を優しいタッチの絵で表現した。
 2014年に発行された初版は県内外の幼稚園や企業から注文が相次ぎ、2年で完売して増刷を重ねた。先月下旬、八木沢園長が静岡市内へ講演に訪れたのを機に、約8年ぶりの増刷となる第4刷2千部を発行。八木沢園長が22年夏、高校2年に成長した園児たちと再会した時の思いをつづったコメントを加えた。
 絵本は県ボランティア協会や同区の出版社「牧羊舎」を通じて1冊800円(税別)で販売し、収益金の一部は同こども園の活動支援に活用される。問い合わせは同協会<電054(255)7357>へ。
 (社会部・鈴木志穂)

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