ウッドリバーテーブル 遊木舎西尾(藤枝市)木の節や皮有効活用【ものづくり最前線】
処分する木の節や皮など自然な部分を有効活用した新たな木製テーブルを開発した。専用のレジン(樹脂)液を脱泡機で流し入れて固め、研磨すると川のようなイメージの天板に仕上がる手法「ウッドリバー」を利用している。森の中を流れる清流を感じさせる製品が完成した。
明治時代に部品加工業として静岡市で創業した家具メーカー。開発は今年から始まった。過去に経験のない木材とレジンの異素材を組み合わせる製造方法が、西尾正勝社長(78)の好奇心と挑戦心をかき立てた。
岩手県八幡平市の栗の木を使用。専用のレジン室で22~23度の室温を保って作業し、研磨には約1週間かける。一般家庭で使ってほしいとの思いで、木のぬくもりを残したシンプルなデザインを採用した。奥行き0・8メートル、高さ0・7メートル、長さ1・5メートル。レジンは色の組み合わせで変色し、光の当たり具合で見え方も変わる。西尾社長は「家に早く帰りたいと思えるテーブル。感動を届けたい」と語る。
「使えば使うほど深みが出てくる」と木の魅力を生かした。栗の木は経年変化で色に深みが出やすく、自然の温かみも感じやすい。今後は完成度を高め、テレビボードや小さな家具、小物などにも着手する。より自然を感じられるデザインに改作しようと意欲的だ。
西尾社長は「もっと自然の良さを引き出し、極力人の手が加わらないものを作りたい」と意気込む。
企業情報 藤枝市潮106の1。1900年創業。従業員5人。