斜面の達人 テックマン(袋井市) 草刈りをスムーズに【ものづくり最前線】
アルミ合金製の本体に小型車輪を左右に配置した。アタッチメントを草刈り機のシャフトに取り付けることで刃と地面を平行に保ち、手押し感覚でのスムーズな横移動を可能にした。5、6キロの草刈り機を担いで振り回す必要もなくなり、除草作業の負担の大幅な軽減につなげた。
商品名の通り、傾斜での作業も車輪が地面に即応し、楽な体勢で行える。短い草から丈の高い草までスムーズに刈り取れる。効率性も向上し、作業時間を短縮した。今年8月から直販のみで販売を行っているが、既に30人以上が使用していて、好評を得ているという。
小野田清代表(78)が、知人の農家から草刈り作業は前かがみなど無理な姿勢で行うことも多く、体への負担が大きいとの話を聞いてアイデアをひらめいた。小野田代表は「草刈りによる健康被害を少しでも減らしたいという思いで作った。斜面の達人を使うことで作業が楽になるのを体感してもらえたら」と話した。
元々は航空機メーカーとして創業し、現在は「社会の役に立つ製品」の開発に取り組む。これまでに竹粉砕機、焼き芋窯などを商品化した。斜面の達人にも航空機の材料や、組み立て構造などを応用しているという。
企業情報 袋井市中新田671。1984年創業、従業員1人。