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キスとハモの揚げはんぺん 魚格出口鮮魚店(静岡市清水区) 冷めても柔らかな食感【静岡ものづくり最前線】

 静岡市清水区の古刹(こさつ)として知られる清見寺のすぐ前にある、家族経営の小さな魚店のはんぺんが評判を呼び、遠方からの客を引き付けている。

一枚一枚手作りで丁寧に作られているはんぺん
一枚一枚手作りで丁寧に作られているはんぺん

 もともとは30年以上前に近くに出店した大型店舗の鮮魚コーナーに対抗するため、先代が試行錯誤の末に開発したものだ。1年半かけて鮮魚を求めに来た客に味見をしてもらい、ようやく満足いく商品になった。
 材料はニギスと呼ばれる深海魚と肉厚の駿河湾産ハモ。タマネギのみじん切りやオリジナルの調味料を加え、一枚一枚手作りで成形し、揚げる。厚さ1センチ、縦10センチ、横5センチ程度だが、全て大きさや形が微妙に異なる。常連からは「そこがいい」とほめられる。
 学生が店頭で食べたり、地域ではおでんや炊き込みご飯の具になったりする。代表を務める出口強志さん(53)は「温かいときはどんなはんぺんでも柔らかくておいしいが、1日たって冷めてもおいしいのがうちのはんぺん」と胸を張る。
 店頭には近くの定置網で取れた魚介類やすしも並び、小さな店内は常ににぎやか。魚屋としてのこだわりは店頭販売を基本としていること。品質に責任を持ちたい、との思いからだ。はんぺんは1枚140円(税込み)。

 企業情報 静岡市清水区興津清見寺町。1948年創業。従業員は正社員5人、パート3人。

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