ガスボンベ再利用のアウトドア用品 沼津高圧ガス産業(清水町)「丈夫さ」高い付加価値【静岡ものづくり最前線】
一定年数を超えると、法定検査の期間が短くなることもあり、使用されなくなるケースが多いLPガスボンベ。スクラップ業者に引き渡している廃棄ボンベをかまどや薫製機、まきストーブなどに生まれ変わらせ、付加価値の高い「リユース」を実現した。
高圧ガスを充てんするため、もともと強度や耐久性は折り紙付き。更新廃棄で劣化はなく、性能にも問題はない。清水町の共同開発事業支援補助金を受け、製造は隣接する金属加工の高田産業に依頼した。容量5~50キロのボンベを使い、希望に応じてさまざまな大きさに加工する。
2月には、同町商工会が優れた地元の新製品を選ぶ「柿田川こだわりの逸品推奨品」に認定された。担当の山本文昭専務(48)は「みんなでアイデアを出し合い、楽しみながら開発した」と話す。安全性の問題や法規制で応じていないが、一般からの「丈夫なので焼却炉に使いたい。不要になったボンベを譲ってほしい」との要望が開発ヒントになったという。
現在は口コミでの販売だが、2023年度には販売サイトを立ち上げる予定。山本専務は「使い勝手とともに、見た目のデザイン性も追求していきたい」と意欲を見せる。
企業情報 清水町柿田956。1964年創業。LPガスボンベの法定耐圧検査を請け負う。従業員12人。