2023年6月8日(木)

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ものづくり最前線の記事一覧

ものづくり最前線
  • カレーの具 簡単時短、非常食にも 石田缶詰(焼津市)【静岡ものづくり最前線】

     ルーを入れるだけで家庭の味が再現できるカレーの具。OEM(相手先ブランドによる生産)を中心に手がけてきた同社が創業60周年の節目に立ち上げた自社ブランド商品。コロナ禍の巣ごもり需要の高まりで注目が集まり、キャンプ用も市場投入した。  2014年に自社ブランド第1号として完成したのは「ママカレーの具」。調理済みの肉や野菜具材がスープごと入っている。鍋に入れて煮込み、自分好みのルーを加えると完成する。保存期間は常温で1年半と非常食としても有効。  石田雅則社長の「全国に発信できる商品を作りたい」という思いを受け、社内に商品開発チームが発足。試行錯誤の末に製品化にこぎ着けた。当初は3~4人前を想定

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  • クラウンメロンの中にケーキ パティスリー季季(袋井市)【静岡ものづくり最前線】

     遠州地方が誇る特産品クラウンメロンを丸ごと使用したぜいたくなスイーツ。メロンそのものの外観に、中身は果肉とスポンジ、生クリーム、季節の果物で層を重ねた。素材の味を生かした逸品は、高貴な香りと甘みが口中に広がるという。  地元特産を生かした看板商品の開発を検討していた洋菓子店「パティスリー季季」の渡辺有希子オーナーが、なじみの客の要望を受けて開発した。切り分けるとケーキが出てくる見た目のインパクトも特徴の一つだ。  注文の都度、メロンを仕入れて追熟させ、一玉一玉丹精込めて作る。誕生日ケーキや贈答品などとして毎月注文があるという。今年3月には袋井商工会議所推奨品プレミアムの認定を受けた。今後、市

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  • シラスの乳酸菌を使った「静岡チーズ」 うしづまチーズ工場(静岡市葵区) 乳酸菌まで“純地元産”【静岡ものづくり最前線】

     牛乳を発酵させる乳酸菌を駿河湾でとれたシラスから採取し、全ての原材料を“純静岡産”で賄った。きめ細かなミルクの味を感じられるシンプルな味わいに仕上げ、パンに塗ったり和食に合わせたりと多彩な食べ方を楽しめる。  県工業技術研究所、東海大との共同開発。シラスから抽出した乳酸菌を培地で増殖させ、牛乳に混ぜて発酵させる。3年前から開発を始め、30度の温度下で活発に動き、24時間でpHを下げて牛乳を固める―など乳酸菌の適性について検査を続けてきた。候補に挙げた80株のうち、シラスの乳酸菌がチーズ製造に最適との結果になった。  松下正明社長(48)によると、全国に数あるご当地チー

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  • マグロ肥料おしゃれに 家庭菜園用肥料「つなごえ」 伊豆川飼料【静岡ものづくり最前線】

     アミノ酸が豊富に含まれることから、「高級品」として扱われることもあるマグロの廃棄部分を使った肥料を、家庭菜園向けに小口で売り出した。現在は自社のECサイトでのみ販売するが、ホームセンター向けにも売り出す計画がある。  静岡県のツナ缶の生産量は全国の97%を占める。清水港周辺ではツナ缶の製造工場が多くあり、マグロの加工残さを利用した肥料は、山間部のミカンや茶農家が伝統的に利用してきた。ただ、近年は解体したマグロを輸入する業者も多く、資源を無駄にしない好循環が崩れつつある。  「『こんなにおいしいトマトは食べたことがない』と言われるほど良い農作物ができる」と胸を張るのは、3代目で取締役の伊豆川剛

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  • ガスボンベ再利用のアウトドア用品 沼津高圧ガス産業(清水町)「丈夫さ」高い付加価値【静岡ものづくり最前線】

     一定年数を超えると、法定検査の期間が短くなることもあり、使用されなくなるケースが多いLPガスボンベ。スクラップ業者に引き渡している廃棄ボンベをかまどや薫製機、まきストーブなどに生まれ変わらせ、付加価値の高い「リユース」を実現した。  高圧ガスを充てんするため、もともと強度や耐久性は折り紙付き。更新廃棄で劣化はなく、性能にも問題はない。清水町の共同開発事業支援補助金を受け、製造は隣接する金属加工の高田産業に依頼した。容量5~50キロのボンベを使い、希望に応じてさまざまな大きさに加工する。  2月には、同町商工会が優れた地元の新製品を選ぶ「柿田川こだわりの逸品推奨品」に認定された。担当の山本文昭

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  • 納豆「海の賜(たまもの)」 まるさ食品(伊東市)臭み抑え 食べやすく【静岡ものづくり最前線】

     伊東で納豆作りを続ける同社の看板商品の一つ。地元の赤沢沖の海底800メートルからくみ上げた海洋深層水を使って加工し、納豆が苦手な人でも食べやすい一品が好評を得ている。  原料には北海道産のすずまる大豆を使用する。収量が多く栽培しやすい品種への切り替えが進み、「年々生産量が減ってきている貴重品」(斎藤巨明社長)だ。超軟水の海洋深層水は大豆に浸透しやすい。この水に漬けることであっさりとした味わいに仕上がり、納豆特有の臭みが抑えられるという。  商品はこれまで全国納豆鑑評会の小粒・極小粒部門で3度、賞を受けた。市内のスーパーやJA直売所で販売している。  1952年、伊東駅近くで創業した同社。水に

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  • お茶廃材原料のプラ製品 ダイシン(牧之原市) 日用品も環境に優しく

     持続可能な開発目標(SDGs)の推進で環境に配慮した企業努力が求められる中、茶の製造過程で生まれる廃材を原料に含んだバイオマスプラスチック製の日用品を生み出した。自動車部品の製造や組み立てが本業だが、業界ニーズの変化を見据え、循環型社会に適応するノウハウ蓄積も狙いだ。  コンセプトに「住みよい地球づくり」を掲げた事業の展開を考えたとき、県内有数の茶どころ牧之原市に本社を構える企業として、茶を活用した製品を作り上げることを一つの地域貢献と捉えた。バイオマス樹脂を生み出す特殊技術を持つ企業と連携し、茶製造時に工場内に舞う粉状の茶を活用したチップを開発。自社の成形技術を生かし、製品第1号として石油

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  • 富士山嶺クラフトコーラ Agrinos(アグリノス)(川根本町) 地元ユズ無駄なく使用【静岡ものづくり最前線】

     コーラの実やカルダモン、シナモンなどのスパイスと自社農園で栽培したユズを原料に仕上げたクラフトコーラ。かんきつ系の鼻に抜ける爽快感と、ユズの酸味を感じる独特の後味が特徴だ。コーラと原液シロップの2種類で販売し、シロップは炭酸水のほかウイスキーや牛乳で割ってもおいしく味わえる。  川根本町奥泉の耕作放棄茶園を整備し、ユズやライム、ジャバラなどを栽培している。ユズの木は約2千本、生産は8割を占める。地元産品をPRするため、食品加工や流通販売も手がけ、6次産業化に力を注いでいる。  クラフトコーラを製造する神奈川県のメーカーと初めてコラボした。地元食材を使った商品の販売を通して地域活性化に貢献する

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  • 無添加の復刻ベーコン 安愚楽(浜松市北区) うまみ凝縮「秘伝」製法【静岡ものづくり最前線】

     30年近く地域住民に親しまれてきた居酒屋が開発した、浜松産の豚を使用した体に優しい無添加の食品。店舗入り口にショーケースを設置し、4月から販売を開始する。「文明開花」と名付けたシリーズ商品として売り出す。  親会社の食肉卸売業サンボク(浜松市北区)が約40年前に生産していて、継承されずに途絶えた秘伝のレシピの復刻を目指したのが開発のきっかけ。当時を知る従業員の協力が得られたことで約2年前に着手した。店舗内の倉庫を燻製(くんせい)工房に改装し、レシピに改良を加えて新たな商品として生まれ変わらせた。  独自に配合したスパイスを肉に直接すり込む乾塩法で作られたベーコンは、余分な水分を与えないことで

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  • ポータブル鉄板 梅沢鋳工(富士市) 鋳物の風格、本格焼き肉【静岡ものづくり最前線】

     鋳造メーカーの熱意を込めた焼き肉用鉄板。加熱したら冷めにくい鋳物の特性を生かし、小型ながら本格的な焼き肉を堪能できる。  産業用機械を構成する鋳物部品の老舗。アウトドア好きの社員が社内にあった鉄板で試作したことがきっかけだ。「良い物ができそうなので商品化を」と梅沢伸英社長も初めてのBtoCに乗り気になった。  安定しない炭火などからも熱が均一に伝わり、厚いステーキも一気に焼ける。ざらざらした表層には食材が付きにくく、さびにくさから手入れも簡単だ。  一般的なキャンプ用のサイズでは重くなり過ぎることから、カセットこんろや七輪向けの小型に。五徳の形を選ばない滑り止めが裏面に付き、こんろの上でぐら

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  • ニューサマーゼリー&シャーベット 花月製菓(東伊豆町) 和菓子職人の技を海外へ【静岡ものづくり最前線】

     爽快な香りとさっぱりした味わいが人気のニューサマーオレンジ。東伊豆町の特産として知られるかんきつをゼリーに仕上げた。町を代表する銘菓の製造技術を国外にも伝承している。  あんこ商品が主力だったため夏季の売り上げに苦戦。特産品による菓子開発を目指し、製造している。飲料の製造時に余剰したオレンジの皮を買い取って使用。女性の購買意欲を高めようと、魚由来のコラーゲンも配合した。  冷凍しシャーベット状にしての賞味も勧めている。韓国済州島で洗剤の製造販売を手がける企業の関係者が町内へ来訪時、その味わいに感動し、製造技術の伝承を請うてきたという。内山欣洋社長(60)も現地に出向いて指導していた矢先、新型

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  • 瓦素材の女性向け小物 長沢瓦商店(静岡市清水区) 和の質感で生活豊かに【静岡ものづくり最前線】

     瓦屋根の施工業者が、瓦と同じ素材と製法でアクセサリーとアロマストーンを開発した。自社で製造販売する初の一般小売り向け商材で、和の風合いを生かして女性をターゲットに瓦の新たな魅力を発信する。  アクセサリーは屋根瓦をモチーフにしたイヤリングやピアスなど約30点。窯を密閉して焼き上げる際に付く「いぶし銀」の色合いが特徴。アロマストーンは、鬼瓦に使われるキクとボタンの計2種類の形を用意。瓦自体が吸水性に優れることから、アロマがゆっくりと染み込み、香りが長時間持続するという。  素材は地元の静岡市清水区を流れる巴川流域の土を使用する。金属のヘラで表面を繰り返しなでて磨くことで、光沢を出した。自社のE

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  • テントサウナ エイケン工業(御前崎市)、静岡県内企業協業で商品化【静岡ものづくり最前線】

     キャンプ愛好家らを中心に近年人気を集めている「テントサウナ」。国内で流通する製品のほとんどが海外製の中、静岡県内企業との協業で商品化した。本業は自動車用のオイルフィルター製造。電気自動車(EV)の普及など自動車業界の変革を見据え、新事業での収益獲得を図る。  テント内部を温めるサウナストーン(石)は、「大沢石」と呼ばれる溶岩石を三島市から調達。耐水性、耐熱性に優れた材質のテントを静岡市清水区の専門店が製作する。ステンレス製のストーブは磐田市の板金加工会社と試行錯誤し、石を載せる板を厚くして耐久性を高めた。農業用ビニールハウスと同様のパイプを骨組みに使用し、幅2メートル、奥行き2・4メートル、

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  • 十丁十豆(じゅっちょうとまめ) 橋山食品(掛川市) シリーズ健康増進の需要に対応【静岡ものづくり最前線】

     厳選した国産大豆を使い、濃厚な素材本来の風味を堪能できる自社商品を開発した。主にスーパーマーケット向けに大豆加工食品を納品してきたが、健康志向の高まりを販路多様化の好機と捉えた。自社商品のシリーズ化を進めて、個人消費者向け事業への本格参入を目指している。  仕入れ時期によって変化する大豆の個性に着眼し「十人十色」をもじって名付けた。豆腐の豆乳濃度は13%以上。舌の上にまろやかな甘みとこくが広がる。油揚げやがんもどき、豆乳など派生商品もそろえ、フィルムや容器のコストは最低限に抑えた。  開発の背景には、治療よりも予防を重視して健康増進を図ろうとする消費者意識の広がりがある。6代目橋山豪人さん(

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  • スキンケアマスク キコーコーポレーション(三島市) 糸の美容液、瞬時に浸透【静岡ものづくり最前線】

     200層にも重ねた美容成分ヒアルロン酸の細い糸が、水にぬらすと瞬時に溶け出す。顔全体に無駄なく均一に美容液が広がり、従来のように肌に張ったまま10~15分程度の待ち時間もない。老化を防ぐとされる成分「ニコチンアミドモノヌクレオチド」(NMN)も配合した。  電極を利用してヒアルロン酸の美容液を空中に飛ばす「電界紡糸」の技術で極細の糸を作り、メッシュに吹き付けてマスクを開発した。ヒアルロン酸は浸透しやすいよう低分子に切断し、水でぬらした顔に張ると成分がわずか1秒で溶け出して肌に染み込む。まぶたの集中ケアも可能で、顔からメッシュをはがした後は何もする必要はないという。  13年間にわたり研究開発

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  • 郷土料理ヒントに「森島おはぎ」 食感に米屋のこだわり 森島米店(伊豆市)【静岡ものづくり最前線】

     伊豆市の天城湯ケ島地区に伝わり、文豪の井上靖も愛したとされる「塩おはぎ」をヒントに開発した。米店としてもち米の調理方法にこだわり、粒をしっかりと残して米を食べている食感を得られるようにした。  開発のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大。団体活動やスポーツイベント向けに提供していた主力の仕出し弁当事業の需要が激減した。数百個単位の注文が入っていたこともあり売り上げはほぼ半減した。  苦境を乗り越えようと新商品の検討を始め、森嶋昭仁代表(43)が「米屋だから米をおいしく食べてもらいたい」との思いからおはぎの開発を思い付いた。全国各地の繁盛店を訪れ、販売ノウハウやブランディングを学んだ。構想開

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  • 顆粒オブラート「とろみの精」 協和食品工業(静岡市駿河区) 料理など用途拡大提案【静岡ものづくり最前線】

     服薬時や菓子のべたつき防止に使われるオブラートを顆粒(かりゅう)に加工し、料理のとろみ付けなどに使えるようにした。片栗粉のように事前に水で溶いて熱した料理に加える必要がなく、常温でもふりかけて1分ほど混ぜるだけでとろみが生じる。  サツマイモやジャガイモのでんぷんをアルファ化して製造するオブラート。近年はカプセル薬が普及したほか、菓子の包装も改良が進んだことで需要は減少の一途をたどる。かつて全国に200社を数えたオブラートメーカーも、現在は4社しかない。安定的な需要を掘り起こすには、従来と異なる用途の提案が急務との危機感が開発のきっかけという。  オブラートを粉末にしただけと思われがちだが、

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  • くるくるフラッグ エル・ティー・シー(磐田市) 応援を自由にデザイン【静岡ものづくり最前線】

     スポーツ応援やイベントでの利用を想定した手持ちバナー。注文されたデザインを印刷して販売する。両端の取っ手を引っ張るとバナーが広がり、離すと丸まってコンパクトになる。商標登録した。  縦24センチ、横70センチのバナーは、PET(ポリエチレンテレフタレート)製で防水性に優れる。張力が異なる2枚のPETシートを貼り合わせることで、自然に丸まるようになっている。商品ホームページで、注文者が文字や色、写真などを自由にデザインできる。1枚から注文可能。1枚注文の場合は2530円。100枚以上を注文すると半額以下になる。  プロスポーツや部活動、コンサートなどの応援グッズとして売り込んでいる。これまでに

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  • 2脚型で安定性実現 スマホスタンド「ドコス」 リキュアライズ(富士宮市)【静岡ものづくり最前線】

     スマートフォンに装着する2脚型のスタンドを開発した。代表の石川弘紀さんはIT企業でシステムエンジニアとして働く傍らアイデア商品の開発に挑んでいる。2脚型スタンドは実用新案技術評価「6」を取得。これまでにない2脚型を採用し、置きたい場所に置きたい角度で安定するスタンドを実現した。  開発のきっかけはスマホやスタンドに自身が感じていた不便さ。「満足できるスタンドが見つからなくて、自分で作ってみようと思った」と石川さん。2脚型の着想は植木職人の三脚を偶然見かけたことがきっかけ。安定性が確保できる3点支持をスタンドに応用しようと、自身ですぐに試作に取りかかった。  「知的財産権が無いと個人は太刀打ち

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  • 温泉排水を有効活用 排熱回収ヒートポンプシステム 平和エアテック(熱海市)【静岡ものづくり最前線】

     温泉などから出る排水の熱を取り出して給湯に活用するシステム。従来は捨てられていた温泉地の“未利用エネルギー”を有効活用して、ボイラーに使われてきた化石燃料や事業所のコストの削減を可能にする。  宿泊施設などから出る排水をいったんタンクにためて、採熱用熱交換器で熱を回収し、ヒートポンプを通じて60度程度の湯を供給する。  温泉地の熱海市は、宿泊施設などから大量に湯が排出される。そのため、下水の温度が25度前後と他都市より高く、熱交換の効率化が図りやすい。  ヒートポンプは電気を使用するが、ボイラーに用いる化石燃料よりコスト削減効果は大きい。二酸化炭素(CO2)排出量も大

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  • ジムニールーフテント カマド(御殿場市) 屋根と一体、コンパクト【静岡ものづくり最前線】

     軽自動車、小型車「ジムニー」専用のルーフテント。広げると長さ2メートル10センチ、高さ96センチ、幅1メートル12センチになり、2人が横になれる。屋根の中に格納でき、純正の屋根よりわずか13センチ車高が高いだけ。ベースキャリアに取り付ける一般的なルーフテントに比べてコンパクトかつ軽量で、走行性能への影響が小さい。  屋根との接続部4カ所のロックを解除し油圧ダンパーを上げ、後部の床を広げて開設する。屋根の立て掛けとマットを敷く時間を含めても1分程度で完了する。ウエットスーツと同じネオプレーンの生地は耐熱性が高く温かい。風や光を通しにくく防音にも優れる。  2006年に立ち上げたジムニー専門店「

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  • 国産うなぎの炊き込みごはんの素 うなぎの井口 ウナギ食を若年層へ訴求【静岡ものづくり最前線】

     地場の名産品として知られるウナギを、炊き込みご飯で気軽に食べられるよう製品化した。中高年に比べてウナギを食べる習慣の少ない若年層や忙しい共働き世帯へ訴求する。新型コロナウイルス禍での販売開始となったこともあり、移動制限の中での自宅用や贈答用としても好評という。  浜名湖産を中心とした国産ウナギで、身や皮が固く、かば焼きとしては販売できない規格外品を刻み、100度超の熱を加えて濃いめの味付けにした。さらに焦げないように糖度を調整したたれとともにパックに詰めた。内容量220グラム、税込み1580円。1本2千円以上が相場のかば焼きに比べて安価にウナギを味わえる。井口恵丞社長は「若い世代がウナギの食

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  • ほととぎす漬 おもひで横丁藤枝市場(藤枝市) 武士の涙誘うほど辛い“幻の漬物”【ものづくり最前線】

     江戸時代の東海道藤枝宿で親しまれていた“幻の漬物”を復活させた。奈良漬にした白ウリに和がらしを塗り、シソの葉で巻いた料理。紫色の外見とピリリとくる刺激的な辛さが特徴で、酒のつまみやお茶漬けの具として味わう。  寺川義則取締役店長によると、旧藤枝宿に軒を連ねていた一膳飯屋のうちの一軒である「東屋(あずまや)」が、ほととぎす漬を提供していたという。名付けの親は東屋で漬物入りの茶漬けを食べた武士。漬物の涙を誘うほどの辛さと、ホトトギスの名所の「木枯ノ森(こがらしのもり)」(静岡市葵区)で詠まれた短歌の一節「ほととぎす 聞くたびごとに 涙こぼるる」をかけたとされる。  その後

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  • ソフトめん 羽山商店(焼津市) 手間かけた「給食の味」【ものづくり最前線】

     1960年代後半ごろから「ソフトめん」を製造し、焼津市内の小中学校に届けている。20年ほど前からは店頭販売も手がけ、子育て世代を中心に懐かしい味を買い求める客が店を訪れる。  学校給食用に提供するのは1日3千食分ほど。羽山義孝社長(62)ら従業員が学校の給食準備に間に合うよう午前4時ごろから作業に取りかかる。強力粉と水、塩を機械に入れてから、練る、伸ばす、ゆでるといった工程のほとんどが手作業。羽山社長は「手間をかけて、おいしくてよいものを届けたい」と語る。  ゆであがった麺は「蒸熱殺菌庫」と呼ばれる機械に入れ、80~90度で15分間の殺菌処理を施す。この工程を経ることで、麺の芯まで水分が浸透

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  • 斜面の達人 テックマン(袋井市) 草刈りをスムーズに【ものづくり最前線】

     アルミ合金製の本体に小型車輪を左右に配置した。アタッチメントを草刈り機のシャフトに取り付けることで刃と地面を平行に保ち、手押し感覚でのスムーズな横移動を可能にした。5、6キロの草刈り機を担いで振り回す必要もなくなり、除草作業の負担の大幅な軽減につなげた。  商品名の通り、傾斜での作業も車輪が地面に即応し、楽な体勢で行える。短い草から丈の高い草までスムーズに刈り取れる。効率性も向上し、作業時間を短縮した。今年8月から直販のみで販売を行っているが、既に30人以上が使用していて、好評を得ているという。  小野田清代表(78)が、知人の農家から草刈り作業は前かがみなど無理な姿勢で行うことも多く、体へ

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  • ファイヤートング 寺脇精工(湖西市) 消費者目線で使用感探求【ものづくり最前線】

     自動車部品の加工を長年手がけてきた湖西市の町工場が火ばさみ「ファイヤートング」を開発した。消費者目線で使いやすさを探求し、随所にこだわりをちりばめた。  同社初のBtoC製品。寺脇精二社長(72)は新商品開発に、趣味のアウトドアの経験を生かした。市販のU字形のトングは重さに弱く、まきなど大きめの物をつかむと変形してしまう。一方、ファイヤートングはX字形の鉄製で、ギザギザした先端部分で細かい物を「つまみ」、中央の平たい部分で大きい物を「つかむ」ことができる仕様だ。  長さ47センチ、重さ360グラム。ばねを採用したことで軽い握りでも開閉を可能にした。グリップ部分は木材を火であぶった後、手になじ

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  • 手元供養向け小型仏壇 藤原木工(静岡市駿河区) 暮らしになじむ仏具【ものづくり最前線】

     木製の土台に位牌(いはい)を安置し、LED電球で照らす。草花などの刺しゅう模様のレース生地を、塩化ビニール素材で挟み込むことで外側の強度を高めた。  戦後創業の家具メーカー。当初はドレッサー製造を主な生業としていたが、ベッドやソファ、ガラステーブルなど生活様式の変化に対応した家具づくりに取り組んできた。近年はOEM(相手先ブランドによる生産)での家具調仏壇も手掛ける。  マンション世帯の増加や核家族化の進行に伴い、広いスペースが必要となる大型の仏壇需要は減退していて、購入しない世帯も多い。一方で、遺骨の一部を身近な場所に置く「手元供養」の習慣は広まりつつあり、現代インテリアになじむ仏具の姿を

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  • 孤独死防止・見守りシステム 複数人の利用を可能に エスト(浜松市西区)【静岡ものづくり最前線】

     1人暮らしの高齢者が増加する中、手間や負担を省きながら、複数人の利用を可能にした「孤独死防止・見守りシステム」を開発し、20日に発売した。  人の動きと明るさに対応する二つのセンサーが、利用者を感知する。設置は本機をコンセントに差し込み、ベッドやトイレなど生活動線に向けるだけ。管理者が任意に設置した一定時間内に利用者を感知しなかった場合、合成音声による電話や無料通信アプリLINE(ライン)などが管理者に届く仕組み。  Wi―Fi経由でのインターネット接続は親機1台だけ。そこから離れた場所に置いた子機(10台まで)は無線でつながってネットワークを形成する。被災者や高齢者向けの賃貸住宅など、地域

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  • キスとハモの揚げはんぺん 魚格出口鮮魚店(静岡市清水区) 冷めても柔らかな食感【静岡ものづくり最前線】

     静岡市清水区の古刹(こさつ)として知られる清見寺のすぐ前にある、家族経営の小さな魚店のはんぺんが評判を呼び、遠方からの客を引き付けている。  もともとは30年以上前に近くに出店した大型店舗の鮮魚コーナーに対抗するため、先代が試行錯誤の末に開発したものだ。1年半かけて鮮魚を求めに来た客に味見をしてもらい、ようやく満足いく商品になった。  材料はニギスと呼ばれる深海魚と肉厚の駿河湾産ハモ。タマネギのみじん切りやオリジナルの調味料を加え、一枚一枚手作りで成形し、揚げる。厚さ1センチ、縦10センチ、横5センチ程度だが、全て大きさや形が微妙に異なる。常連からは「そこがいい」とほめられる。  学生が店頭

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  • 介護現場の臭い軽減 非接触型「おむつごみ箱」開発 サンリッチ三島【静岡ものづくり最前線】

     介護現場で欠かせないおむつ交換。1人につき1日10回を超すケースもある。おむつの処理で発生する臭いを抑えて施設内の快適な環境を維持するとともに、介護従事者の負担と不快感を軽減しようと開発した。  縦40センチ、横58センチ、高さ72センチのキャスター付き移動箱。ベッドで交換したおむつを一定量ため、処分場まで運ぶのに利用する。  主力材には消臭機能の付いた合板を使用。収容量が一目で分かるよう上部の一部に透明素材を使い、ごみ袋を広げるフックや袋の落下を防ぐ金具を取り付けるなど、利便性を考慮して細部にまでこだわった。ふたはセンサーによる非接触型の自動開閉とし、感染症防止対策にもつなげる。  運営施

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  • イカの吸盤取らなイカ!? 肴屋大ちゃん(伊東市) 短時間で簡単に除去【静岡ものづくり最前線】

     通常は包丁で切り取ったり、こそぎ落としたりと手間の掛かるイカの吸盤取り。食材の捨てられる部分を減らし、おいしく食べてもらいたいとの思いのもと、簡単に取り除くことができる画期的な調理器具を生み出した。  商品化したのは、昔からものづくりに慣れ親しんでいるという山本大輔店主(46)。ステンレス製の器具の先端に0・8ミリのスリットを入れ、イカのげその吸盤をスリット部分に滑り込ませて動かすことで、固くて食感が悪い吸盤のリングを除去する。包丁を使った場合に比べ、大幅に時間が短縮できる。  いくつもの試作品を自作して改良を重ね、理想の形状にたどり着いた。2021年7月に特許を取得。富士市の金属加工会社で

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  • アロマ専用茶葉「ちゃろま」 お茶のあおしま(島田市) 癒やしの香り引き出す【静岡ものづくり最前線】

     製茶問屋として緑茶の需要減に危機感を抱く中、静岡県内では身近な茶の「香り」に着目し、緑茶を飲まない世代へのアピールにつなげようと開発した。専用の茶香炉は地元の陶芸工房「ささやき窯 楽友」が手掛ける一点物。贈り物や店舗用として人気を集め、島田市が認定する「島田の逸品」にも選ばれている。  青島光俊社長が毎シーズン厳選した県内産の一番茶のみを使い、熱の伝わり方や香りの持続力を考えた独自の形状に加工している。アロマオイルのように禁忌の心配がなく、リラックス効果に加えて消臭効果もあるのがポイント。茶香炉は茶葉を置く皿の角度や厚みを追求した。  間接照明としても利用でき、家庭で楽しむだけでなく呉服店や

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  • 大径木対応製材機 フジイチ(浜松市天竜区) 芯去り材注力、効率向上【静岡ものづくり最前線】

     昨年冬に導入した新製材機で大径木の加工効率を上げ、天然乾燥の芯去り材の増産に力を入れている。芯を除き製材することで、1本の木から2本の柱や梁(はり)材が取れる。新たな木材利用を提案し、ウッドショックや産地の課題にも対応できる林業経営を進めている。  天竜では標準伐期を過ぎた人工林が8割を超え、木材の大径化が進む。ただ、直径40センチを超える木材の需要は乏しく、製材の工夫と新たな商品開発が業界の課題となっている。  植林から製材までを手掛ける強みを生かし、地域林業の課題解決に向けた取り組みを主導する同社。石野秀一社長は「これからも木はどんどん太くなる。山に合わせた製材をしていかなくては」と語る

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  • 木管楽器のリード収納ケース ネクサス音楽出版(浜松市北区)木の味わいで愛用品に【静岡ものづくり最前線】

     クラリネット用7枚、アルトサックス用6枚のリードを収納できる。アシから作られるリードの風合いを生かし、天然のカエデやケヤキ、シャム柿などを用いた5種類を制作した。木工職人が一つ一つ手作りする。  木材の種類によって重みや手触りが異なるのが特徴。金属の留め具を必要最小限に減らし、ネオジム磁石で閉じるシンプルなデザインに。経年劣化も木材ならではの“味わい”として楽しめ、長期間使用できる。  サックス奏者として航空自衛隊中部航空音楽隊に21年間所属した作編曲家の渡部哲哉社長の経験に基づく吹奏楽の楽譜制作が主力事業。演奏活動の制限で売り上げが落ちたコロナ禍を好機と捉え、設立当

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  • ひもの屋さんのフライ 小木曽商店(下田) 上質な味わい、食感追求【静岡ものづくり最前線】

     日本トップクラスの水揚げ量を誇るキンメダイをはじめ、豊富な海産物で知られる下田市で、冷凍の干物のフライを新たな名物にしようと挑戦している。  冷凍フライはアジ、キンメダイ、イカの3種類。干す時間が長くなるほど身が締まるといい、ふっくらした食感を残すため乾燥時間は短くする。脂の乗った肉厚な味わいをサクッとしたフライの軽やかな食感とともに楽しんでもらう狙いだ。フライで味わう際に塩気が強すぎないよう、通常の干物に比べ食塩につけ込む時間も短くしている。  女性の社会進出や働き方の多様化など生活様式の変化から、魚の調理や骨の処理が面倒という消費者が若者を中心に増えているという。フライ用の干物は骨抜きに

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  • デュアルタスク・カラータッチ YK・コラボ(浜松市浜北区)運動と学習で認知症予防【静岡ものづくり最前線】

     発達障害のリハビリテーションや認知症予防の装置として開発を進めた。放課後デイサービスの職員へのアンケートで見られた「楽しみながら、運動と学習ができるサービスが必要」との回答をヒントに、同時に二つの能力の向上を図る。  問題作成ソフトを取り込んだパソコンに独自開発のワイヤレスUSBボックスを差し込むと、4択や順番を求める問題が画面に表示される。解答は手元のリモコンを操作して行うほか、赤や青の色スイッチをコーンに装着し、それぞれの距離を取ってボタンを押せば運動効果が高まるようにした。正解の数や解答時間の表示、正解と不正解の効果音などでもレクリエーション効果を出す。  「課題作成機能付きゲーム装置

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  • いたくら農園じゃばらピール M.みかん(牧之原市) うま味と効能 最大限に【静岡ものづくり最前線】

     和歌山県北山村を原産地とし「邪気を払う」が語源とされているかんきつ類「じゃばら」のピール。爽やかな香りに加え、糖度を抑えた分、ほどよい甘さと酸味が口の中に広がる。しっかりとした食感で、食べ応えも十分な逸品に仕上げた。  みかん農園として牧之原市で古くから続く「いたくら農園」は、2008年からじゃばらの栽培を開始した。これまでにマーマレードやポン酢などの加工品を販売してきたが、生産過程で発生する果皮の活用に課題を感じていた。じゃばらは花粉症などアレルギーの抑制効果があるとされるフラボノイドの一種「ナリルチン」を多く含むのが特徴だが、果汁に比べ果皮の含有量が特に多い。廃棄を減らし、果物の効能を最

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  • ベビーカーの蒸れ防止、内部に送風機 ヤザキ工業(富士市)【静岡ものづくり最前線】

     内部に送風機を配したシートをベビーカーの本体部分に置き、乳児の下半身から頭上に抜ける風の流れを起こすことで背中の蒸れや熱中症を予防する。あせものリスクや着替えの頻度を減らし、育児負担軽減につなげる。  奥行き約12センチ、高さ約30センチの樹脂製。座面内部のファンで、背面に施した溝に風を通す。他社の製品は身体に風を直接当てるタイプが多いという。  湯たんぽを使った実験では、約40分で表面温度が40・2度から32・1度まで下がるなど、非装着時と比べ1・5倍早く冷却できた。21・8グラムの水を含ませたガーゼは約30分で水分量が8・8グラムに減った。  シートの角度は自在に調整できるようにした。自

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  • スズを使った酒器 栗田産業(静岡市駿河区) 鋳造技術、応用と工夫【静岡ものづくり最前線】

     鋳造技術を生かしてスズを使ったぐい飲みやビアグラスといった酒器を開発した。スズは水や酒などの味をまろやかにする効果があるとされる金属。多彩な本県の地酒をよりおいしく飲めるように工夫を凝らした。  スズの融点は約200度と、従来扱ってきた鉄の融点約1500度に比べて大幅に低い。溶かしたスズを型に流し込む工程では途中で冷えて固まり、充塡(じゅうてん)不良になるケースが多かった。課題の克服に向けて、流し込む注ぎ口の数や形状を変えるなど試行錯誤した。「鋳造技術を応用してはいるが、ゼロから工夫したというのが実感」と栗田圭副社長(42)。研磨技術の向上にも取り組んでいる。  産業用ロボットや工作機械用部

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  • セルロースファイバー入り複合樹脂 エフピー化成工業(富士)プラ使用削減、強度向上【静岡ものづくり最前線】

     天然植物由来のセルロースファイバーを51%以上含む複合樹脂を巴川製紙所(本社・東京都中央区)と共同開発した。紙製品として使用でき、プラスチック使用量の大幅削減につながる。リサイクル性能も高い。プラスチック資源循環促進法施行やSDGs加速で企業の対応が迫られる中、食器や雑貨、工業用品など多彩な用途で活用が見込まれる。  親水性のセルロースファイバーを疎水性の樹脂に混ぜ合わせることに各社が難航する中、水分を含ませずに攪拌(かくはん)する乾式特殊混練製法でセルロースを高い割合で配合することを可能にした。  ポリプロピレン100%に比べ、強度は最大2倍程度、耐熱性は約1・5倍、曲げ弾性率は4倍超に向

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  • 修善寺プリン 地元産食材にこだわり イズバウンド(伊豆市)【静岡ものづくり最前線】

     地元産食材の使用にこだわり、全て手作りで提供する「修善寺プリン」。こくのある甘さが若者を中心に人気で、店舗を構える伊豆市の修善寺温泉街のにぎわい創出に一役買っている。  市内の伊豆鶏業から仕入れる卵は、こだわりの飼料を使っていて臭みがないのが特徴。カラメルソースも手作りしている。賞味期限は短くなるが、添加物と保存料を使わないことで子どもでも安心して食べられるようにしている。  器は修善寺温泉街の観光スポット「竹林の小径」にちなんで輪切りの竹をイメージした。現在は6種類を販売していて、伊豆の国市産のイチゴ紅ほっぺや沼津市産の戸田塩など、トッピングもできる限り県内産食材を使用する。伊豆を舞台

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  • イチゴ狩り農園向けに「ここだけ練乳」 日清煉乳(函南町) 使い切りで安全安心【静岡ものづくり最前線】

     新型コロナウイルスの影響で来場者の減少が続くイチゴ狩り農園向けに、1回分を小分けにした使い切りの練乳。感染対策を充実させることで利用者の安心感につなげるほか、スタッフの人件費削減も見込む。包装する袋には練乳を使い切ると文字が浮かび上がる仕掛けを施し、学校給食やカフェなどへの販路拡大も見据える。  苦境が続くイチゴ狩り農園向けの販売は半分に落ち込み、再び客が戻るようアイデアを凝らした。従来のイチゴ狩りは練乳のチューブを使い回していたが、20グラムずつを小袋に入れて提供すれば感染予防やロスの削減にもなる。練乳のおかわりや準備などに対応するスタッフの手間と接触も省けるという。  小袋は牛の模様を描

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  • 肥料散布機「R-6SC」 落合刃物工業(菊川市) 省力化ニーズに対応【静岡ものづくり最前線】

     大規模化する茶生産者のニーズに応えて、作業効率を高めた肥料散布機を開発した。従来は茶の畝をまたいで機体の左右に設置していた肥料の容器を統合し、中央部に搭載したのが特徴。容量300リットルの大型化で肥料投入回数が減り、大幅な省力化につながった。  同社の乗用型茶園管理機に取り付けるアタッチメント(付属装置)の一つ。容器内の肥料はスクリューで均等に分けられて、左右の散布部に送られる。茶園の端で作業する際は、片側だけ散布することも可能。運転席のレバーで操作できる。  肥料の散布量は手元のダイヤルでスクリューの回転数を変化させて調整する。旋回のたびに装置を昇降させる必要もなくなり、作業時間の大幅短縮

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  • ソフトケールGABA 日常野菜へ「機能性」発信 磐田市の増田採種場【静岡ものづくり最前線】

     「柔らかくて食べやすく、苦みが少ないケール」が商品のコンセプト。血圧低下作用のあるGABA(ギャバ)を多く含む品種の開発と栽培方法の確立に成功した。2018年末に生鮮葉物野菜で全国初の機能性表示食品に認定され、全国のスーパーや百貨店、通販サイトで販売している。  ゴワつきのない柔らかな葉質を生み出すのに必要な、収穫時の株取りやハウス内で周年栽培する一連のノウハウは特許を取得。土耕だけでなく、植物工場での展開も可能という。先端農業推進を掲げる県の「AOI(アグリオープンイノベーション)プロジェクト」に参画し、栄養価のデータ分析や栽培実証などで協力を受けた。  カルシウムやビタミン、ミネラルなど

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  • ブッラータチーズ 七富乳業(富士宮市) 地元産にこだわり開発【静岡ものづくり最前線】

     “幻のチーズ”と言われるブッラータを、富士宮産の高品質な生乳で仕上げたチーズとクリームで商品化した。モッツァレラチーズでクリームと短冊状のチーズを包んだ。イタリア語で「バターのような」を意味するといい、ナイフを入れると中身があふれ出す。  2021年1月に立ち上げたチーズ工房ではモッツァレラやボッコンチーニなど15種類を展開している。いずれもミルク感あふれるジューシーさと、とろける柔らかさが特徴。地元の酪農家と提携を結び高品質な生乳を個別に仕入れている。定番商品のモッツァレラチーズは1年で1万5千個を販売した。今年の「富士山名物グランプリ」では第1位に輝いた。  顧

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  • 大豆100%シフォンケーキ アスリートシフォン(御殿場市) 高タンパク、運動補食に【静岡ものづくり最前線】

     小麦の代わりに大豆を使い、高タンパクで糖質を抑えたシフォンケーキ。しっとりとした食感と優しい甘さが楽しめる。適切な栄養素とおいしさを両立し、体重制限のあるアスリートの補食に適している。  国内産の大豆を微粒子レベルまでひいた粉と、御殿場の新鮮な卵を使う。砂糖は使わず、漢方薬として愛用される植物「ラカンカ」のエキスからできたカロリーゼロの甘味料を代用する。混ぜ方や焼き加減にもこだわり、水分をたっぷり閉じ込み、飲み物なしでも味わえる。代表の富岡智奈美さんは「高齢者や成長期の人、体思いの人にも食べてほしい」と話す。  富岡さんは、アルペンスキー選手の長男恭冴さんを食事面でサポートし、さまざまな補食

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  • スギの端材製ストロー 森のストローLab(浜松市浜北区) 日用品で地域環境配慮【静岡ものづくり最前線】

     持続可能性や脱プラスチックへの関心が高まり、紙ストローなどを出す飲食店などが増える中、地域産材を使った「森のストロー」を開発した。長さ21センチ、口径5ミリ。弱い力でも吸えるよう工夫した結果、八角形という独特の形状にたどり着いた。池谷明代表(80)が30年以上にわたって勤務した楽器メーカーで磨いた木材加工の技術を活用した。  池谷代表はヤマハを58歳で早期退職し、動物や自然好きが高じて開いた牧場で馬を飼育していた。近年、各地で頻発する自然災害と、学生時代から趣味にしてきた登山が結びつき、地元の山林を守ろうと製品開発に至った。牧場内に建てた研究所(ラボ)で開発したストローは、浜松市天竜区産のス

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  • 「伊豆ピクルス」 シトライカンパニー(熱海市) 特産ダイダイの価値向上へ【静岡ものづくり最前線】

     熱海市特産のダイダイの価値を高めようと、昨年12月に商品化。ダイダイの果汁から独自の手法で造った天然酢に県内産野菜を漬け込み、優しい酸味とさわやかな香りが引き立つ逸品に仕上げた。  主に正月飾りに使われ、余りは廃棄されることが多いダイダイと、規格外などの理由で市場に流通しない野菜を生かした。田方農高で食品科学を学んだ荻原穂花さん(28)が開発を担当。1瓶を製造するのにダイダイ2個半からできる酢を用いることで「“カド”のない酸っぱさと香りを引き出せた」と話す。  「キュウリ&パプリカ」「ダイコン&ニンジン」など5種類を商品化。1個972円。現在はインターネットでの販売が

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  • 魚原料のドッグフード 金虎(焼津市) 鮮魚の素材生かした味【静岡ものづくり最前線】

     2014年から自社ブランドのドッグフード商品を市場に本格投入している。焼津港で水揚げされた新鮮な魚を原料にした総合栄養食や犬用スナックが主力商品。老舗かつお節屋の培った技を駆使し、素材の良さを生かした味がワンちゃんから好評だという。  自社ブランド商品の第1弾は、魚肉100%の犬用スナック「鰹(かつお)犬」。アレルギー物質に配慮して製造したところ、アレルギー性皮膚炎に悩む飼い主のニーズに合致した。売れ行きが好調に推移したことで、犬用総合栄養食の開発に踏み切った。  20年にマグロやカツオを主原料にした「おさかな」が完成した。こだわりは、油脂や食品添加物を付けずに素材そのものの良さで勝負した点

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  • イチゴ超促成栽培 ジャパン・ベリー(藤枝市) 収穫ずらしブランド化【静岡ものづくり最前線】

     夏から秋にかけてイチゴの株元を冷やすなどして収穫を早めたり、次の収穫までの時期を短縮したりする栽培方法に取り組んでいる。昨期に試験導入し、本格的な栽培に乗り出した今期は収穫量の大幅な増加につながっている。  気温が下がると実を付けやすくなるイチゴの性質を利用している。7月ごろから1カ月ほど、夜間に苗を冷蔵庫に入れる「夜冷」処理を施す。その後ビニールハウス内に定植し、株元に配置した管に15~18度の冷水を流す「クラウン冷却」を行う。  これにより、通常の収穫期より2カ月ほど早い10月上旬に1回目の収穫ができるようになった。再び実を付けるまでの間隔も短くなり、需要がピークを迎えるクリスマスや正月

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  • チムニーストーブ ムラマサストーブ工房(袋井市) 軽量、持ち運びやすく【静岡ものづくり最前線】

     ストーブではあまり見られない円すい形で、重量は7キロ程度と軽量化にこだわった。持ち運びやすさに考慮して本体は3分割できるように設計。たき火台やこんろのほか、テント内の暖房器具としても使用可能で、さまざまな場面での利用を想定して制作した。  従来型のたき火台は煙が多い、屋内では使用できないなどの欠点があったため、より機能性の高いストーブの開発に乗り出した。8カ月かけて完成にこぎ着け、3月からの販売開始を目指している。既に問い合わせも寄せられているという。  県内では珍しいという薪(まき)ストーブの製造から販売までを手掛ける同社。村松政幸社長(63)が会社員時代、出張先の長野県で薪ストーブに魅せ

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  • 「誰でも簡単に」実現 小型手動の金属曲げ加工機「曲げ職人」 ケーテック(湖西市)【静岡ものづくり最前線】

     手動で簡単に金属の曲げ加工ができる小型専用機を開発した。金属板をL字やコの字に曲げるなど、時間がかからない軽作業に即時に対応できる。工場内での設備の微調整や試作工程の時間短縮、生産性向上に寄与する。  同社によると、大手・中堅メーカーでは、金属の曲げ加工はプレスの専門資格者が大型加工機で行っているケースが多いという。  新製品「曲げ職人」は縦横約70センチ、高さ約1メートルの箱型で重さは108キロ。キャスター付きの可搬式にして工場内での利便性を高めた。幅40センチまでの金属板に対応する。油圧式で電源不要。機体脇に取り付けたハンドルを押すことで、ジャッキのように作業台が持ち上がる仕組みとした。

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  • 鉄と板金で「美」提案 鉄製花器「はな灯和」SEED(湖西市)【静岡ものづくり最前線】

     30年以上にわたる産業機器部品製造で培った精密板金技術を生かし、鉄製花器「はな灯和(びより)」を開発した。デザイン性を高め、鉄と板金の可能性を新たに提案している。  鉄板を加工し集じん機や制御盤などの部品を手掛けてきたが、コロナ禍によって設備投資を控える企業が増加。売り上げ減を経験し、産業機器メーカーの発注に依存しない自社製品の必要性を痛感したことが商品開発のきっかけだった。  レーザー加工機で鉄板に吉祥文様の穴を開け、溶接や曲げの職人技を織り交ぜた。穴に花を挿すため剣山は不要。生け花をしない時も、ランプシェードやインテリアとして使えるようにデザイン性を高めた。文様は4種、色は2種。付属のガ

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  • 1食分のタンパク質補給「パワグラ」 RMG(静岡市駿河区)【静岡ものづくり最前線】

     豆乳をかけることで、成人男性が1日に必要なタンパク質量の3分の1にあたる約27グラムを、1食で摂取できる。トレーニングやダイエットに励む人、成長期の子どもの体作りを後押しする。  趣味でトライアスロンに取り組む小嶋隆三社長が、アスリートに最適なグラノーラを提供しようと考えたのが開発のきっかけ。  プロ選手が体作りのために食べる一般的なグラノーラには、体に素早く吸収される一方で高脂質な動物性タンパク質が多く含まれているという。  「パワグラ」は、吸収速度が緩やかな植物性タンパク質を多く含み、腹持ちの良さと低脂質を実現した。メープルシロップやドライフルーツ、ナッツ類を混ぜた自然な甘みが特徴。アス

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  • 半年寝かせ、なじませるこだわり ホワイトシップ印のツナ缶 由比缶詰所(静岡市清水区)【静岡ものづくり最前線】

     青い海を悠々と進む白い帆船が描かれた「ホワイトシップ」印のツナ缶のファンは静岡県外にも広がる。年末ともなると、本社工場内の直売所前には県外ナンバーの車列ができる。年間3万人が訪れる。  「会社が順風満帆に成長するように、と名付けられたのでしょう」とは4代目社長を務めた彦坂勝之現会長(80)だ。JR静岡駅の土産物屋でも見掛けるようになったが、それもここ10年のことだ。  日本で初めて清水でツナ缶が製造されたときと同じ、夏に捕れる近海もののビンチョウマグロを使う。身が白く高級とされる。綿の実から作る綿実油を使用し、缶に詰めてから半年間寝かせるのがこだわりだ。魚肉と油がよくなじむ。  欧米向けに作

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  • ASOBUのたき火台「IRORI」 宮内製作所(沼津市) 折り畳みコンパクトに【静岡ものづくり最前線】

     下請け企業から自社製品を持つメーカーを目指し、2020年5月にアウトドアブランド「ASOBU」を立ち上げ、6月にたき火台「IRORI」シリーズを商品化した。ソロキャンプから5、6人のグループ向けまで3サイズをそろえる。  自動車ボディー・シャーシの試作やモニュメント製作などで培った金属加工技術を生かして開発した。ステンレス製で重量200グラム~1・5キロ。折り畳むとA5~A3サイズになり、薄さは1センチ前後と、コンパクトで持ち運びしやすい。  地面を焦がさないよう、底面に空気穴を作らず、側面から空気を取り込む構造にして燃焼効率を高めた。ステンレスは熱を加えると変形しやすいため、広げた際に本体

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  • 鮮魚使ったミールキット 魚将(伊東市) 華やぐ一品を手軽に【静岡ものづくり最前線】

     伊東魚市場で仕入れた新鮮な魚介類を使った真空冷凍のミールキットの販売を手掛ける。一つ一つの材料をそろえる手間を省き、フライパン一つで伊豆産の食材を手軽に味わえるようにした。  2020年6月に売り出したキンメダイを使ったアクアパッツァを皮切りに、キンメダイの煮付け、イセエビのパエリアなど現時点で4種類を取りそろえる。キンメダイは身に傷が付かないよう配慮した「つぼ抜き」の手法で下処理を施すことで、調理時にうま味を逃がさず見栄え良く仕上がるようにした。  新商品の開発は、新型コロナウイルスの影響で納入先の宿泊施設が一斉に休業したのが転機。家庭で食事するニーズはあり、外出自粛を余儀なくされた消費者

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  • 鹿の角活用 ファイアスターター「AMENOKAKU」 りばるつ(島田市)【静岡ものづくり最前線】

     自然資源を有効活用したキャンプ用品を手掛ける。主な商品は燃料を使わずに火をおこす道具「ファイアスターター」。柄の部分には川根本町に生息する鹿の角を再利用した。古事記に登場する鹿の姿をした神の名称を参考に「AMENOKAKU(アメノカク)」と名付けた。  諸田修一郎代表(38)は元々、自然資源を使ったものづくりに興味があったという。地元猟師から「鹿の角が廃棄されている」と耳にし、鹿の角を使った商品開発を志した。キャンプ場勤務の経験や知識を生かして今春に同社を設立した。  ロッドと呼ばれる金属棒の部分を専用の器具でこすると火花が飛び、麻ひもやティッシュで着火させる。初心者でも簡単に火花が飛ぶよう

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  • 蜜蜂とアロマで抗菌 長坂養蜂場(浜松市北区)【静岡ものづくり最前線】

     新型コロナウイルスの影響で定着するマスク生活を快適に過ごしてもらおうと、蜜蜂の力と天然アロマを合わせた抗菌マスクスプレーを開発した。マスクに直接噴射することで、感染対策とともに香りも楽しむことができる。  蜜蜂が外敵やウイルスから巣を守るためにつくるグリーンプロポリスと、マヌカやティートゥリーなど7種類の天然アロマを使用。高濃度の植物性アルコールと合わせている。マスクの外側に吹き掛け、軽く乾燥させてから着用すると、爽やかな心地よい香りが広がる。第三者機関による検査で高い抗菌効果も認められている。  発案したのはアロマインストラクターの資格を持つスタッフの中沢妙子さん。「蜜蜂と天然アロマの力で

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  • ぶっかけコンビーフ UKAI(下田市) 自家製塩が味の決め手【静岡ものづくり最前線】

     雌の黒毛和牛のみを提供するこだわりの焼き肉店ならではのA4、A5ランクのテール肉と、店の目の前にある白浜海岸でくんだ海水で手作りした塩を使って製造する。  全国有数の海水浴場として知られる白浜海岸近くに焼き肉店「特選黒毛和牛牝専門 焼肉U」を構えているが、売り上げは夏の海水浴シーズンに偏っていた。年間を通じて安定した売り上げを確保するため、2019年から開発を始めた。コロナ禍で店の売り上げも減少、開発のスピードを速め、費用をクラウドファンディングで募るなどして今年春から販売を始めた。  味の決め手となる塩は4~5時間、海水を煮詰めて水分をできるだけ減らし、まろやかで口当たりの良さを心掛ける。

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  • 寒茶のティーパック 自然農法でまろやか 土と太陽の会(牧之原市)【静岡ものづくり最前線】

     冬場に摘採する「寒茶」の製造に取り組み、ティーパックの商品を開発した。昔ながらの伝統的な製茶手法を基に、幅広い世代に好まれるような飲みやすい味に仕上げた。  寒茶は地方に食文化として根付く番茶の一つ。真冬の硬い茶葉を摘採し、蒸した後に3、4日天日干しする。冷暗所で半年間寝かし、火入れをして仕上げた。無農薬、無肥料の自然農法にこだわっている。  熱湯で約2分間抽出すると、湯は徐々に黄金色に変化する。湯気とともに漂うのは「草木の香り」(杉田素之代表)。まろやかな味わいで、カフェインが少ないため妊婦や子どもも安心して飲める。杉田代表は「食事中も、寝る前も、さまざまな場面で飲める」と話す。  寒茶づ

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  • 自然土を使った舗装材 エコーライト(御前崎市) 防じん材加え差別化【静岡ものづくり最前線】

     花こう岩が風化してできる「真砂土」を主原料とした環境配慮型の舗装材を受注生産する。開発以来約20年間で200件以上の公共工事に採用された。  本業は遠州地域で採れる砂の鋳物用への加工。郊外に比べて都市部の気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が社会問題化し、環境に優しい舗装材が求められる中で製品化した。真砂土は雑草の繁茂を抑える効果があるとされ、山梨県や愛知県の山で掘削して仕入れる。粘り気がなくさらさらとしている半面、水を含むと崩れやすい性質のため固化剤を配合する。さらに独自の技術で防じん材を加え、他社製品との違いを出した。夏場に行った表面温度の比較実験では、コンクリート舗装面に比べて最大6

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  • ロードバイク用「簡単駐輪システムSS1」 藤永製作所(静岡市葵区) 車体に負荷かけず保管【静岡ものづくり最前線】

     新型コロナウイルス禍で密を避けたレジャーとして人気が高まっているロードバイク。宿泊施設や飲食店に、誰でも手軽に駐輪できる場所を提供しようと開発した。  保育施設の遊具や公共施設の手すり、モニュメントの制作などを手掛ける。藤永正義社長自身が会社員時代にロードバイクで通勤していて、勤務先などに駐輪場所がなく困ったことが開発のきっかけになった。  ステンレス製で、遊具制作などに用いる金属の溶接や組み付け技術を活用した。サイズは横約140センチ、幅約22センチ、高さ約90センチ。V字形の溝に車輪を乗せて利用する。1台ずつ駐輪するため、他の自転車に接触しての損傷を回避できる。多様な太さの自転車フレーム

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  • 紙包装入りの長巻きトイレ紙 丸富製紙(富士市) 脱プラやエコを前面に【静岡ものづくり最前線】

     通常の4~6倍の長さのトイレットペーパー「ペンギン芯なし超ロングシリーズ」に、脱プラスチックを意識して紙包装にした新商品を投入した。コロナ禍で在宅時間が増える中、家庭用のエコ商品として好まれている。  新商品は1ロール200メートルのトイレットペーパー4個が包装紙に入る。1ロール50メートル商品の16個分に相当する。「シングル」と2枚重ねの「ダブル」があり、家庭需要の高まりを受けて肌触りの良いパルプ100%にした。紙芯がないことで起きる変形を防ぐため、工場から出た損紙から生成されたセルロース・ナノファイバー(CNF)を配合した液体を中心部に塗り、約20%強度を高めた。  長巻き商品は取り換え

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  • キャンプ愛好家から人気 アイアンクラフトのたき火台 アウトリガー(菊川市)【静岡ものづくり最前線】

     ガレージブランド「アイアンクラフト」のたき火台「きらめき」。火がゆらゆらと揺れる様子を、紗綾形(さやがた)模様を加工したステンレス板を通して楽しむことができる。  こだわりの詰まった独創的なデザインの金属製アウトドア用品を展開するアイアンクラフト。オーダーメードにも応じ、個性を表現できるとキャンプ愛好家たちから人気だ。これまでもたき火台を10種類以上製造してきた。  きらめきは横幅47センチ、奥行き23センチ、高さ28センチ。火をたく場所の高さを3段階調節することができ、料理も可能。三方向から空気が入り、火が上に抜ける設計になっている。火が安定するためよく燃え、ほとんど燃えかすが残らないとい

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  • 小麦ふすまのコカラパン 和楽(三島市) 独自製法 健康と味両立【静岡ものづくり最前線】

     豊富な食物繊維と低糖質。小麦の外皮など「ふすま」と呼ばれる部分を焙煎(ばいせん)微粉砕したコカラを原料とし、特有のにおいとボソボソした食感を独自製法で解消した。7月にオープンした「コカラベーカリー」は、健康と味にこだわったパンを売り出している。  運営するのは今年で創業100年を迎える老舗酒販業「和楽」。新型コロナウイルスの影響で酒類の提供自粛が全国的に広がる中、経営リスクの分散と新たな挑戦として三島市役所前に店を構えた。コカラをベースとした食パンや総菜パン、菓子パンなど30種類の商品が並ぶ。  独特なにおいと食感が食材として敬遠され、本来なら捨てられる小麦ふすま。その欠点を独自製法で克服し

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  • 赤と白の「おかえりワイン」 ルカワイン(三島市) 久々の飲酒、楽しめる味に【静岡ものづくり最前線】

     育児や介護、転職などさまざまな事情で飲酒を控えていた人に向けて再びお酒を楽しむきっかけにしてもらおうと、赤と白の微発泡ワインを開発した。アルコールが久しぶりの人でも飲みやすいようにやさしい味に仕上げた。  ルカワインは代表の下里真澄さん(57)と次女の祐美子さん(32)親子で営むワイン専門店。祐美子さんは出産や子育てなど生活環境の変化を経験した同世代に、一段落したタイミングでまたお酒を楽しむ機会を提供できるワインの販売を考えていた。コロナ禍であっても「何か自分にできることをしたい」と思う気持ちも開発の後押しになった。  製造は、店でも普段からワインを取り扱っている三養醸造(山梨県)に依頼。真

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  • 教育用ICTツール「スクジュール」 EGエンジニアリング(富士宮市)【静岡ものづくり最前線】

     学校と保護者、児童生徒の3者をネット上でつなぎ、円滑な情報共有に特化した教育用のICTツール「スクジュール」。今年4月のリリース以降、県内2校、首都圏3校で試験的に導入が始まった。新型コロナウイルスの感染状況に左右されない教育機会の確保に向けてオンライン学習の動きが広がる中、さらなるニーズの掘り起こしを進めている。  スクジュールの機能は行事予定やお便りの配信▽保護者との欠席遅刻早退の連絡▽児童生徒の学習計画記録共有-の三つ。既存ICTツールでは生徒に対する学習支援に特化したものが多く、保護者を含めた3者間での共有機能は少なかったという。芝切祐貴代表(44)は「学習コンテンツではなく、プラッ

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  • 衝撃吸収床「ころやわ」 マジックシールズ(浜松市中区) 特殊構造で高齢者守る【静岡ものづくり最前線】

     特殊な構造で衝撃吸収力を高めた床材を開発した。高齢者の転倒による骨折やけがのリスクを低減し、医療費抑制や介護負担軽減を目指す。  ビニール素材の表面と厚さ約2センチの樹脂層の2層構造。樹脂層は穴のあいた凸凹形状の小さな立方体を縦横に並べ、卵パックのような構造を考案した。普通に歩くと床面は固いままだが、瞬時に強い力が加わると樹脂層内部が圧縮して床面が柔らかくへこみ、衝撃を吸収する。研究機関の調査では、転倒時に大腿(だいたい)骨に加わる力をフローリング床の約半分に抑えられたという。  2020年秋に発売し、県内外の病院や高齢者施設で導入が進み始めた。今年6月からは広島県の医療機関10施設で実証実

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  • 指先教材、発達障害支援や認知症予防に ベル・エージェント(磐田市)【静岡ものづくり最前線】

     発達障害のリハビリテーションや認知症予防のために、指先の使い方や空間認知能力を鍛えることができる。作業療法士として、15年間の活動経験がある鈴木紀子代表(41)が、リハビリの専門家がいない施設や自宅でトレーニングできるように開発した。  クマのキャラクターの補助具を割り箸に付けて小物を挟み皿に運ぶ「お箸の練習セット」や、赤や黄色など直径1センチのプラスチックをボードの穴に差して見本通りに並べる「ペグ」のほか、洗濯バサミで指先の筋力を鍛える器具やひもにさまざまな形のビーズを通す器具などがある。  商品は全て手作り。子どもから高齢者まで利用者のレベルに合わせて難易度を調整できる。専門家や利用者の

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  • 富士山湧水で育てた 水かけつぼみ菜漬け かつまたファーム(御殿場市)【静岡ものづくり最前線】

     富士山の湧水に育まれた北駿名産の水かけ菜。その、つぼみの部分を漬物にした。「農家の秘密のご馳走(ちそう)」とされた逸品。味が濃く、独特のほろ苦さとからみ、香りが楽しめる。  水かけ菜収穫のピークが過ぎた早春、つぼみの先端から15センチ程度を摘み取る。ミネラル豊富なヒマラヤの塩で手もみし、たるにつけ込む。添加物は一切使わない。  農家に受け継がれていたが、収穫時期が田植えの準備と重なるため量産が難しく、市場に出回ることはほとんどなかった。勝亦健太社長(45)は「水かけ菜に比べて繊維が緻密。食感も良い」と話す。冷凍可能で一年中出荷できる。  勝亦社長は10年前に就農し、主にトマトを生産する。当時

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  • 脱着自動加工機 小沢精密工業(浜松市浜北区) 効率化重視の機材導入【静岡ものづくり最前線】

     浜松市内に3カ所あった工場を昨秋、浜北区染地台に移転・集約し、削り工程の金属部品を自動で脱着する加工機を本格的に導入。一度に十数個から100個以上の部品をセットしておける。従来は手作業だった脱着にかかる時間を大幅に短縮でき、従業員の残業は平均7割減らすことができた。  主に管楽器や医療・検査機器などの金属部品加工を手掛ける。2013年10月に3代目社長に就任した小沢大祐氏は、仕事の効率化と、清潔感のある職場環境づくりに努めてきた。工場集約により、社内間の連絡の手間を省略。常には使わない機材も過不足なくそろえた。脱着自動加工機は、高い能力の求められない作業を30分や1時間に1度しなければならな

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  • 防火防災WEB管理台帳、膨大な書類を一元管理 ウェックス(熱海市)【静岡ものづくり最前線】

     従来は分厚い台帳で保管していた防火管理に関する書類をウェブ上で一元管理し、消防設備士と建物所有者が常に共有、確認できるシステムを開発した。書類の紛失や防火管理者の異動に伴う引き継ぎミスなどを防ぎ、円滑な安全管理をサポートする。  不特定多数の人が出入りする大規模施設は、消防関係の複数の申請書や報告書を消防本部に提出し、3年間保管する必要がある。一つの申請で書類が100枚を超えることもあり、建物所有者には負担になっていた。  総務省消防庁は昨年12月、「脱はんこ」の一環で、消防関係の手続き書類の押印を廃止し、電子申請を可能にする通知を出した。ウェブ管理台帳は、この流れを先取りして昨年4月ごろか

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  • ツナのレトルトパウチ 三共食品(焼津市)、使い勝手の良さ重視【静岡ものづくり最前線】

     ビンチョウマグロを使った唯一の小売り用自社ブランド製品。使い勝手の良さを重視し、レトルトパウチを採用することで、缶詰の開封時の煩わしさを解消した。  ツナ缶に使われる頻度の高いキハダマグロではなく、味の良さにこだわりビンチョウマグロを使っている。油分が少なく、油切り不要でそのまま、サラダに入れたり、ごはんにかけたりして食べる。森琢史社長(32)は「下味がしっかり付いているため、しょうゆをかけなくても十分」と話す。  レトルト食品の製造工程の要は加圧加熱殺菌。ツナフレークを袋に入れた状態のまま自社工場の殺菌釜に入れて、120度の熱で殺菌。安全性を高めた上で常温保存を可能とした。  製造開始は2

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  • AI搭載デジタルサイネージ自動ドア 共立アイコム(藤枝市) 来場者に応じ表示変更【静岡ものづくり最前線】

     自動ドアの両脇にあるモニターで情報を発信する。人工知能(AI)を備えたカメラも設置し、来場者によって表示画面を切り替えることが可能。川崎市の大学病院で6月末まで実証実験を行っていて、コロナ禍で入り口付近の混雑を緩和させることなどに効果を発揮している。  NECのグループ会社や札幌市の自動ドア施工販売会社と共同開発した。共立アイコムは、デジタルサイネージに表示するコンテンツの制作や広報などを担当する。  モニターは50インチの縦型で、ドア両脇の外側と屋内側に計4基を設置する。実証実験では、車いすの患者が通過する際に「ご注意ください」などの画面を表示している。通常時は消毒液や検温装置の場所を案内

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