カレーの具 簡単時短、非常食にも 石田缶詰(焼津市)【静岡ものづくり最前線】
ルーを入れるだけで家庭の味が再現できるカレーの具。OEM(相手先ブランドによる生産)を中心に手がけてきた同社が創業60周年の節目に立ち上げた自社ブランド商品。コロナ禍の巣ごもり需要の高まりで注目が集まり、キャンプ用も市場投入した。
2014年に自社ブランド第1号として完成したのは「ママカレーの具」。調理済みの肉や野菜具材がスープごと入っている。鍋に入れて煮込み、自分好みのルーを加えると完成する。保存期間は常温で1年半と非常食としても有効。
石田雅則社長の「全国に発信できる商品を作りたい」という思いを受け、社内に商品開発チームが発足。試行錯誤の末に製品化にこぎ着けた。当初は3~4人前を想定した大きいサイズだったが、陳列に適していないと知ると、現在の2人前サイズに改良した。
市場投入してしばらくして、キャンパーに愛用されているという評判を聞きつけると、すかさず中身はママカレーの具と同様の「キャンプカレーの具」を商品化した。アウトドア用品店を中心に展開している。現在、鍋つゆを2倍に凝縮した「キャンプソロ鍋」を市販化に向けて、準備を進めている。
石田社長は「自社ブランド商品開発を通じて社内がひとつにまとまってきた」と語る。
企業情報 焼津市大住。1953年創業。従業員40人。レトルトパウチ食品のOEMを中心に手がける。